ニッセイ情報テクノロジー(NISSAY IT)とSAPジャパンは11月17日、保険ビジネスにおける戦略的協業体制を構築したと発表した。この協業においては、SAPジャパンの次世代保険プラットフォーム上に、NISSAY ITが豊富な保険業務知識や金融機関向けのシステム導入ノウハウにより保険業界向けシステムを開発することで、両社は双方の強みを生かした保険ソリューションの共同販売体制を構築する。
NISSAY ITは、ニッセイグループのIT戦略を担うために1999年に設立。システムインテグレーターとして、保険・年金・共済・ヘルスケアに関する幅広い顧客に対し、事務・システムのコンサルティングからシステム開発・運用までのITサービスを提供する。
両社は今回の戦略的協業において、以下のようなデジタルエコノミー時代の戦略的な取り組みの検討を開始するとしている。
Risk&Finance最適化ソリューション
近年では、保険会社がグローバル化する中でIFRS適用が喫緊の課題となり、保険会社特有の保険負債の時価評価や金融商品会計への対応ニーズが高まっている。これに対し、NISSAY ITが持つ保険会計知識・実績とSAPが持つグローバルのプラクティスを活用し、会計業務だけでなく、経営や財務、リスク管理業務に必要な情報基盤を提供することで、多面的な財務・収益、リスクの一元的なデータ可視化を可能にする。
デジタルネットワークサービス
SAP HANAプラットフォームを活用したカスタマーエクスペリエンス、オムニチャネル、IoT、ビッグデータなどのデータ解析基盤が新たな企業価値を創造し、競争力を高める。
レガシーモダナイゼーション最適化ソリューション
高コストかつ制約要件の多い現行レガシーシステムから、デジタルエコノミー時代に最適な新プラットフォームへのデータ移行を支援する。
共同研究開発プロジェクト
中期的な取り組みとして、激化するグローバル競争時代の戦略的保険事業基盤を示すための共同研究開発プロジェクトを立ち上げ、将来の保険会社の基幹システム最適化やデジタルエコノミーに備えたデジタルインシュランスのソリューション像を共同で研究する。