AI分野の話は、とかく難しくなりがちだが、遠藤氏の説明は同社の取り組み姿勢も含めて非常に分かりやすかった。同氏が言うように、AIの活用はこれからの進化を考えれば、まだ初期の段階といえる。それだけに「AIとは」の議論も丁寧に行っていきたいものである。
「業務・IT一体型アウトソーシングで日本企業のスピード経営を支援したい」 (アクセンチュア 馬場昭文 執行役員)
アクセンチュアの馬場昭文 執行役員
アクセンチュアが先ごろ、新組織「オペレーションズ本部」の活動を11月から本格的に開始し、「As-a-Service」をミッションとした業務・IT一体型アウトソーシングに向けた各種サービスを国内提供すると発表した。同社執行役員でオペレーションズ本部 統括本部長を務める馬場氏の冒頭の発言は、その発表会見で、新たな取り組みへの意気込みを語ったものである。
新設されたオペレーションズ本部は、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)とITインフラ構築の機能を統合した組織で、As-a-Serviceに基づく新サービスによって、コスト削減や品質向上に加え、日本企業のスピード経営を支援していくことをミッションとしている。
新サービスの内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは馬場氏が説明したAs-a-Serviceに基づく新サービスの3つの提供価値に注目したい。
まず1つ目は「Speed to Value」。すなわち「経営判断に即応する業務基盤の実現」である。具体的には、ビジネス環境の変化に即応する柔軟かつ俊敏な業務/IT一体型アウトソーシングを提供し、事業立ち上げリードタイムの短縮化支援するとしている。
2つ目は「Business Outcomes」。すなわち「成果コミット型サービスの提供」である。具体的には、業務要員キャパシティ、商材・ソリューションを売るのではなく、ビジネス成果そのものを提供するという。
そして3つ目は「Transformation」。すなわち「真の意味でのAs-a-Serviceエコシステムの実現」である。具体的には、多種多様なSaaSやIaaSといった外部サービスを適材適所で活用すべく、これらを横断的に管理するIT基盤の導入に加え、企業のガバナンス変革、予算管理、調達プロセス改革など、チェンジマネジメントも視野に入れ、真の意味でのAs-a-Serviceエコシステムを実現するとしている。
BPOとITを組み合わせたサービスはこれまでもあったが、ITにクラウドをフル活用し、サービス全体としてAs-a-Service化を図ったのが、アクセンチュアの新サービスの勘所である。まさにこれまでBPOとITの両分野とも実績を上げてきた同社ならではの取り組みといえよう。改めてAs-a-Serviceというビジネスモデルが注目されるきっかけになりそうだ。