テクノロジで迫る沈没船の謎(1)--アンティキティラ島沖に眠る2000年前の船 - (page 6)

Jo Best (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-12-29 07:00

 現在の潜水調査活動はロボットに大きく依存している。その理由がここにある。ロボットであれば人間よりも深いところで長時間作業できる。しかし、細心の注意を払わなければならない難しい作業はいまだに人間のものであるため、ロボットが傍観者となる場合もしばしばある。

 WHOIは2014年に、ダイバーとロボットを融合させたような「EXOSUIT」の試験を実施した。このアイアンマンのような潜水服は水中でも大気圧と同じ気圧が保たれる、小型のウェアラブル潜水艇と言ってもよいだろう。


小型潜水艇とも言える最新式の大気圧潜水服「EXOSUIT」によって、深海での作業時間を延ばすことができる。
提供:WHOI

 この実験段階の潜水服は、沈没現場にはまだ投入されていないものの、アンティキティラの近海で試験運用を実施済みであり、現在開発プログラムへの投資が検討されているところだ。

 Foley氏は「作業や観測を何時間も続けた後でも、ウィンチを巻き上げるだけですぐに浮上できる」と述べるとともに、「減圧症の心配も不要だ。EXOSUITからすぐに出てコーヒーを飲むこともできる」と続けた。

 Foley氏は2015年8月の潜水調査行が「アンティキティラでかつてなかったほど密度の高いアクティビティが実施される期間」だったと述べた。この大規模調査の結果の一部は既に発表されており、その詳細についても今後発表されるはずだ。

 第2回「北極海に眠る19世紀の探検船」に続く。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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