トレンドマイクロは、「2015年第3四半期セキュリティラウンドアップ」を公開した。これによると、脆弱性攻撃サイトへの誘導元の8割以上が「汚染された正規サイト」であり、脆弱性攻撃サイトへの誘導数は、前年同期比約9倍の約380万件に増加していることが分かった。
2015年第3四半期(7月~9月)において「汚染された正規サイト」を経由する国内向けの攻撃が多数確認された。日本国内からのアクセスを確認した42件の脆弱性攻撃サイトのうち、86%が正規サイトの改ざんや不正広告が表示された正規サイトを経由するものだった。
日本国内からアクセスが確認された脆弱性攻撃サイトへの誘導元サイト種別割合(トレンドマイクロ提供)
また、脆弱性攻撃サイトへユーザーが誘導される件数は2014年第3四半期と比較して約9倍の約380万件に増加した。そのうち、日本国内からのアクセスは約170万件で全体の約45%を占めている。
全世界での主要な脆弱性攻撃サイトへのアクセス数推移(トレンドマイクロ提供)
このほか同リポートでは、42件の脆弱性攻撃サイトから侵入する不正プログラムの6割以上が、オンライン銀行詐欺ツールやランサムウェア(身代金要求型不正プログラム)など金銭目的の攻撃だったことが判明している。
また、2015年第3四半期中に確認された2件のAdobe Flash Payerの脆弱性は、メーカーが更新プログラムを公開する1~3日前に、脆弱性攻撃ツールのエクスプロイトキットにその脆弱性を狙う攻撃コードが追加されていたことも明らかになった。
トレンドマイクロでは、普段から閲覧している正規サイトを表示しただけで攻撃にさらされる危険性があると指摘し、セキュリティ製品で不正なウェブサイトへのアクセスを防止するほか、更新プログラムが公開されたら早期に適用するなどの対策が重要だとしている。