この問題の影響を受けるのは、ある特定の顧客サービスプログラムがプレインストールされたDell製コンピュータだ。このプログラムは、Dellサポート担当者がコンピュータを識別するための証明書を通して、コンピュータを侵入される危険性にさらし、マシンが送受信する暗号化されたメッセージへのハッカーによるアクセスを可能にする恐れがあるとDellは述べた。また、本物に見せかけた危険な偽サイトにインターネットトラフィックを再ルートするよう攻撃者が試みる恐れもあるという。
Dellはユーザーに対し、同社ノートPCから証明書を削除するよう呼びかけており、それを手動で実行するための手順を公開している。24日からは、証明書を確認して削除するためのソフトウェアアップデートをコンピュータに対してリリースすることも計画している。
テキサス州ラウンドロックを拠点とするDellは、「顧客のセキュリティとプライバシーは、Dellにとって最大の関心事であり、優先事項である」と声明で述べた。米CNETはDellに対してさらなる情報を求めたが、得られなかった。
セキュリティ研究者のBrian Krebs氏によると、この問題は、8月以降に出荷されたすべての新しいDell製デスクトップおよびノートPCに影響を与えるという。つまり、膨大な数のコンピュータが危険にさらされていることになる。市場調査企業IDCによると、Dellの第3四半期における世界PC出荷台数は1000万台を超えている。
Dellによる今回の情報開示は、私たちがオンラインでの銀行口座確認やAmazonでの買い物、Facebookでの個人情報共有などを行う時代に潜む危険を改めて示す兆候だ。Targetなどの小売店での大規模なデータ侵害は一度に何千人もの人々に影響を及ぼすが、消費者はより身近な自分のノートPCやスマートフォンを通しても攻撃を受ける可能性がある。
セキュリティ上の予防策を取ることが当たり前になってきたとは言え、店から持って帰ってきた新しい技術製品について心配する消費者は少ない。確かに、コンピュータメーカーがインストールするプログラムの一部は、煩わしく、厄介に感じられる。今回は、その中に本当に危険なものがあることが判明し、手元のコンピュータやその販売企業に対する信頼が損なわれる可能性がある。