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日本株展望

最高益更新中の食品株への見方

ZDNet Japan Staff

2015-11-25 10:24

 今回は、最高益更新中の食品株について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏が解説する。食品株といえば、かつては純粋な内需株だった。それが近年、海外で売上を拡大する企業が増えてきている。

 人口の増えない日本の停滞産業が、いつの間にか世界で成長する産業になってきている。日本食が海外で受け入れられるようになっている流れも、日本の調味料メーカーには追い風だ。

 ただし、最高益更新中の食品株は、近年、株価が大幅に値上がりしている。PERなど株価指標で見ると、既に割高になってきている。窪田氏は、今の水準であえて食品株に積極投資したいとは考えていないという。

高いPERまで買われるようになった食品株

 かつて食品セクターは割安株の宝庫だった。財務内容が良くて利益がそこそこ出ていても、人気が出ることがなく、株価がPER(株価収益率)などの指標で割安に放置される銘柄がたくさんあった。人口が減少する日本で、食べ物を売っていく商売に夢がないと思われていたからだ。割安株を好む投資家以外は、あえて投資しようとしない銘柄がたくさんあった。

 ところが、今日、株式市場における食品株のイメージはがらりと変わっている。食品株は、景気変動の影響を受けにくいディフェンシブな安定成長株として、高く評価されるようになっている。

 海外で売り上げを拡大している自動車・電機などの輸出企業は、世界経済に不安が出ると売られるが、海外で売り上げを拡大する食品株は、世界経済の影響をあまり受けずに安定的に成長している。食べ物を売っていく商売の強みで、景気変動の影響を受けにくい安定成長株として、高く評価されるようになっている。

 最高益を更新中の食品株は、PERで高く評価されるようなっている。同じように最高益を更新している自動車株のPERの低さと比較すると、食品株の市場評価がいかに高いかがわかるだろう。

今期会社予想ベースで経常最高益を更新する見込みの食品株


今期会社予想ベースで経常最高益を更新する見込みの自動車株


(注:楽天証券経済研究所が作成)

企業が魅力的でも、株価が魅力的とは限らない

 窪田氏は、25年のファンドマネージャー経験で、割安株への投資で競争相手のTOPIX(東証株価指数)を上回るパフォーマンスを上げてきたという。割安株への投資を徹底することが染み付いており、上記のように、PERが高くて人気のある食品株と、PERが低く警戒的に見られている自動車株を見ると、割安な自動車株の投資により魅力を感じると話す。

 ただし、株式市場では、PERの高い株の上昇率が高く、PERの低い株の上昇率が低い状態が長続きすることもある。今はそういう傾向が強くなっている。PERの低い株ばかりを好んで入れていると、TOPIXにパフォーマンスが大きく負けることになりかねない。

 今の食品株のように、PERが高くても人気がある株は、一定量保有していないと、TOPIXに負けるリスクが出てくる。窪田氏がファンドマネージャーの時は、このような割高な人気株は、「中立」(競争相手のTOPIXの構成比と同じ組入比率にすること)の組み入れとしていたという。

 冷静に考えてみて、自動車株は、世界経済の変動に大きな影響を受ける。リーマンショックのような世界景気悪化があると赤字になることもある。世界各地で地政学リスクが高まると、世界中で工場を持って生産を行っている自動車株には、業務上のリスクが発生する。

 同じ海外で利益を稼ぐ株でも、自動車・電機のような業績の不安定な株ではなく、食品や小売り・サービス業のように安定成長株の方が、PERで高く評価されるのは、当然のことかもしれない。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

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