スマートシティへの関与を促す
もちろん世界の都市のほとんどは、現時点ではスマートシティではない。既存のテクノロジを、より先進的で効率的なテクノロジで置き換えるには時間がかかる。しかし一方で、個人や組織が、都市のデータの見直しや開発者を集めて都市で利用できるアプリケーションを作成するなどの活動を進んで行ったり、市民団体を作ったりして、自分にできることを進めることは可能だ。
シカゴ市では、利用しているコードをオープンソース化して、世界中からアクセスできるようにすることで、スマートシティの取り組みを広めようとしている。「あらゆる都市が、シカゴ市と同じように厳しい財政状況にある。例えば別の都市で、シカゴのレストランで使用しているコードを流用し、同じものを実装する手間を省くのは合理的だ。われわれは、他の都市のオープンソースコードも利用する計画でいる。地方自治体や政府の間では協力しやすいため、お互いに力を合わせることができる」とBerman氏は述べている。
「すべてのコードがオンラインで公開されているため、他の研究者がそのコードを参照したり、データを見たりすることができる」とSchenk氏は言う。研究者はこのコードを改善したり、自分が関わっているスマートシティプロジェクトで、そのコードを無料で利用することさえできる。Schenk氏によれば、シカゴ市もまた他の地方自治体のオープンソースコードを利用したいと考えているという。
データを使って都市に行動を促す役割を果たす可能性が高いのは、ジャーナリストやプログラマーなどだが、起業家も地方自治体で役立つアプリケーションを作るハッカソンを開催できる。これらの人たちがデータと情報を作ることができれば、都市はそれに耳を傾ける可能性が高いとSchenk氏は言う。
ただし、新しいサービスがどれだけ魅力的であっても、市民がそれを求めていなければ意味がない。
「スマートシティは進化する都市であり、そのスマートさは相対的なものだ。都市がスマートシティになるためには、常に変化していかなくてはならないことを理解する必要がある。しかし、都市住民を支え、都市の文化的な活力と持続可能性を維持するための最善のツールを選ぶには、知恵が必要だ」とMenon氏は述べている。
IoTサービスを管理するシカゴのモバイルユニット
提供:Teena Hammond/TechRepublic
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。