プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は11月24日、サイバー攻撃と、それに対する防御を疑似体験できる対戦型ゲーム「Game of Threats(GoT)」日本語版の提供を開始した。GoTはアプリケーション単体でなく、同社の専門家をファシリテーターとして演習を提供するためのゲームキット。米国などの海外ではすでに多くの企業が活用しており、経営層やセキュリティ管理者が参加する企業内演習を展開しているという。
GoTは、サイバー空間での攻撃とそれによって引き起こされるビジネス上の事象を攻撃者と被害企業双方の立場で疑似体験できる対戦型ゲーム。参加者は攻撃者か被害企業の2つのチームに分かれ、タブレット端末上で攻撃と対応を交互に繰り返し、勝敗を競う。
攻撃者チームは分散型サービス妨害(DDoS)攻撃やフィッシング詐欺などさまざまなツールを使って企業を攻撃し、標的となる企業のシステムを停止させたり、情報を窃取したりしていく。企業チームは、画面に表示される最低限の情報をもとに、迅速かつ効果的な対策を選択することが要求される。
限られた時間と予算というプレッシャーの中で最適な判断をすることが勝利への鍵になるという。参加者は、どのような攻撃が企業にダメージを与えるのか、どのような対応が効果的かを学ぶことができるとしている。

攻撃者のカード選択イメージ(左)とゲーム結果のサマリ画面(PwC提供)
11月7~8日に沖縄で開催された内閣府主催のサイバーセキュリティに関する国際会議「Cyber3 Conference Okinawa 2015」でも会議参加者がGoTを体験し、好評を得たという。