野村総合研究所(NRI)は11月25日、2021年度までのICT(情報通信技術)の主要5市場(デバイス/ネットワーク/プラットフォーム/コンテンツ配信/ソリューション)についての、国内と一部世界における動向分析と市場規模の予測を発表した。
ICT/メディア市場は、その中の多くの分野が成熟期あるいは衰退期を迎えている一方で、スマートフォンなどのスマートデバイスを活用したビジネスの急速な立ち上がり、EC(電子商取引)やインターネット広告、コンテンツ配信市場のさらなる成長、ウェアラブル端末や3Dプリンタの普及、M2M(Machine to Machine)/IoT(Internet of Things)による新たな市場の形成など、新時代に向けた構造変化が起きているという。
NRIはこれを、ネットとリアルの境界線がサービスを通じて曖昧化していく「ネット・リアル融合時代」と捉え、東京オリンピック開催後の2021年に向けてどのように変化していくかを分析した。
今回NRIが分析・予測したICT・メディア市場のうち主要5分野の予測結果は以下の通り。
デバイス市場
デバイスとモノとの連携を用いたサービス提供が本格化し、デバイスはサービスに合わせて多様化していく。
世界の携帯電話端末販売台数の推移と予測(NRI提供)
ネットワーク市場
成熟期を迎えているが、異業種のサービスとのバンドル(組み合わせ販売)の増加や、MVNOで市場が活性化すると見込まれる。
国内携帯電話・PHS契約回線数予測(NRI提供)
プラットフォーム市場
スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、B2C EC市場はさらに拡大。オムニチャネル化の推進、スマートペイメントの利用が加速する。
国内B2C EC市場規模予測(NRI提供)
コンテンツ配信市場
スマートフォンの急速な普及により、コンテンツ市場は成熟期から衰退期へ。ユーザー目線で付加価値を創造する、新たな市場を創出することが求められる。
国内動画配信市場規模予測(NRI提供)
ソリューション市場
情報セキュリティの堅調な伸び、およびM2M/IoTの急激な成長により、ソリューション市場は高い成長性を示す。
ソリューション市場規模予測(NRI提供)