調査

フィンテック投資はアジア・パシフィックで前年比4倍以上--アクセンチュア

NO BUDGET 2015年11月27日 07時25分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 アクセンチュアは11月25日、アジア・パシフィック地域および日本での金融テクノロジ(Fintech:Finance+Technology、フィンテック)投資について、最新の調査結果を発表した。

 アジア・パシフィック地域のフィンテック投資は1月から9月の9カ月間で約35億ドルに達し、2014年の約8.8億ドルから急伸している。また、日本でのフィンテック投資も同期間において既に約4400万ドルに達しており、2014年度の5500万ドルに迫る勢いとなっている。

 また分野別にみると、決済業務(40%)が最も高い比率を占め、次に融資業務(24%)と続いており、これまで銀行が独占していた領域での投資が大半を占める。


(アクセンチュア提供)

(アクセンチュア提供)

 本調査は、ベンチャー企業の財務データ・分析を国際的に行う「CB Insights」が提供するフィンテック投資データをアクセンチュアが分析したもので、アクセンチュア・リサーチでは独自の方法論により、CB Insightsの投資案件を再分類した。

 本調査においては、P2Pプラットフォーム、デジタル通貨取引等のオルタナティブ金融サービスプロバイダーとしてだけでなく、リテール・商業・投資銀行、保険会社、資産管理会社、決済サービスプロバイダーに向けた技術を提供する企業をフィンテック企業と定義している。調査結果「Fintech Investment in Asia-Pacific set to at least quadruple in 2015」は、香港Cyberportで開催された第2回アジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボ「投資家の日(Investor Day)」で発表された。

 調査結果によると、10月1日時点の投資件数は122件に達し、2014年の117件と対比して順当な伸びを見せている。また投資金額も、中国で相次いだ国内外向けの大型案件により、飛躍的な増加となっている。

 注目すべき案件としては、Alibaba Group Holdingsと関連会社Ant Financial Services Groupによるインドのモバイル決済プラットフォームであるPaytmへの出資や、P2P(Peer to Peer)およびBtoCのオルタナティブファイナンス・投資プラットフォームを開発するPing An Insurance Group傘下のベンチャー企業Lufaxによる資金調達の成功が挙げられる。

 日本においても、国内とアジア向けにP2P決済プラットフォームを構築するエクスチェンジコーポレーション(ExCo)による資金調達など、決済サービス分野でのフィンテック投資が見られる。

 さらに、アクセンチュアが次世代トレンドとして注目するブロックチェーンやクラウド分野についても、大きな関心が寄せられている。例えば、東京に拠点を置くクラウド会計・給与計算サービス「Freee」(旧CFO株式会社)は、自動オンライン会計ソフト(銀行口座とクレジットカードを自動同期)の開発に向けた資金調達に成功しました。また、日本を拠点とするビットコイン取引所「bitFlyer」は今年、シードおよびシリーズAラウンドによる資金調達を行った。

銀行が注目すべき「ブロックチェーン」「クラウド」「サイバーセキュリティー」分野

 金融機関は近年、フィンテックを業務効率化や、当局規制の変化および新たな通貨への対応に活用しようとしている。アクセンチュアは、分散型記帳により仮想通貨や暗号化された金融資産取引を支える技術であるブロックチェーンが、スタートアップ、銀行、投資家が注目する分野になると予想している。

 ブロックチェーンは単体の技術として、銀行、クレジットカード会社やクリアリングハウスが協力することで安全かつ迅速な清算処理の実現、カウンターパーティリスク削減や取引所要期間短縮による資本の最適化を可能にする。

 また、金融機関におけるクラウド活用も注目のフィンテック分野。クラウド導入の機運が高まるにつれ、銀行はパブリッククラウドに格納可能なデータとプライベートクラウドに格納すべきデータの選別を進めている。

 銀行は、機密性の高い顧客データをプライベートクラウドに格納することで規制当局の要件を満たすと同時に、パブリッククラウドが実現する効率性、柔軟性、オンデマンド機能、コスト削減等のメリットを享受することが可能となる。この状況はフィンテック領域のスタートアップ企業にとって、クラウド関連の新しいサービスを提供する好機となっている。

 さらに近年、大きく報道されている大規模な情報漏えいの影響もあり、来年はサイバーセキュリティーに対する投資が大幅に増加するとアクセンチュアは予測している。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
IT部門の苦悩
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]