クラウド型財務・人事アプリケーションを提供するWorkdayは、大手企業であるAONと財務管理サービスの契約を結び、さらに人材管理サービスの顧客としてFedExを獲得した。これらの契約では、従来とは異なる料金構成が適用されたが、重要なのは、それによってWorkdayがOracleやSAPの値引き攻勢に対して一歩優位に立とうとしていることだろう。
同社の第3四半期の業績が発表されると、大手企業との契約に関する料金や収益予想について質問が出てきた。これは、Workdayは値引きを行っていないが、一部の大手企業との契約で、契約時に支払われる料金と、継続的に支払われる料金の割合を変更したためだ。
このように支払い方法に柔軟性を持たせることで、Workdayは顧客に合わせた契約を結びやすくなったが、その影響をアナリストに説明する必要も出てきた。実際、Workdayのカンファレンスコールでは、料金構成の変更についての説明に多くの時間が費やされた。最も重要だったのは、同社がOracleやSAPとの競争面で優位に立ったということかもしれない。
Workdayの最高経営責任者(CEO)Aneel Bhusri氏は、次のように述べている。
第3四半期の成績では、主なすべての競合他社に対して非常に良い結果が出せた。今期はほぼすべての面で良い成績を残せた。競争環境の面では、再びテクノロジの差別化に注力した。当社は顧客に対して調査や検討をするように強く求め、見込み顧客に対しても既存顧客からの好意的評価について調査をするよう求めた。
従来の顧客は、どちらも既存顧客からの好意的な評価に関する情報をあまり多く得られていなかった。顧客が調査するにつれて、当社は契約を獲得しやすくなっている。当社が数四半期前にこの問題について見落としていたかどうかははっきりしないが、当社はこの基本を固めつつある。
料金に関しては、契約金額の合計は変わっていないが、契約金額が認識されるタイムフレームは変わっている。これらの流動的要素は、今期のWorkdayの業績がやや低く見える理由の1つだ。
これにより、大型顧客との契約が増えるにつれて、Workdayの成長率は若干低く見えるようになるかもしれない。これらの大型契約では、既存の大手企業と競争する上で、よりよい戦術を用いる必要がある。2017会計年度について、最高財務責任者(CFO)Mark Peek氏は、売上高の伸びは30%を超えると述べているが、これは売上高が予想額の15億8600万ドルを下回る見込みであることを意味している。