NTT Comは12月1日、Cath KidstonがNTT Comのクラウドを導入し、アジア販売拠点のPOSシステム基盤を構築したと発表した。
Cath Kidstonは、モダンビンテージをコンセプトとしたホームファニシング、バッグやアクセサリ、キッズウェア、レディスファッションで人気を集めるライフスタイルブランドで、ロンドンで設立され、世界18カ国に約230の店舗を展開、日本国内にも28の店舗がある。
同社は、アジア地域を担当するIT部門を設けていないが、需要が急拡大するアジアのマーケットを重要視しており、運営店舗の直営化をはじめ、英国本社とのシームレスな連携によるガバナンスの強化が最重要課題となっていた。
Cath KidstonはNTT ComのクラウドやVPNをはじめとしたグローバルな提供能力を利用し、英国とアジアの拠点がグローバル共通で利用するPOSシステムのICT基盤をワンストップで構築した。
NTT Comは、POSシステムを運用する「Enterprise Cloud」、そのシステムに接続するためのVPN回線「Arcstar Universal One」、英国とアジア地域を一元サポートする「スーパーヘルプデスク」、各店舗内におけるPOS端末などを提供している。
小売業や流通業などへのこれまで培ったオペレーションノウハウを生かし、国内28店舗におけるICTシステムを一晩で切り替えることに成功したとしている。

Cath KidstonのICT基盤の構成イメージ(NTT Com提供)
Cath Kidstonでは、今回の基盤構築により、海外に店舗を展開する期間を標準的なケースと比べて、約30%短縮できたとする。また、グローバルクラウドを経由し、日本国内各店舗の売り上げデータを英国とリアルタイムで連携できるようになった。
今回導入された「スーパーヘルプデスク」は、多言語対応が可能で、店舗スタッフのICT活用を迅速にサポートする。英国の本社からの問い合わせと、日本国内の店舗スタッフからの問い合わせの双方に対応することで、一元的なサポート体制を構築できた。
Cath Kidstonは、この秋から国内の既存店舗で新ICT基盤の利用を開始している。また、12月1日に新規オープンした国内最大級の横浜ランドマークプラザ店にも導入し、日本国内全店における本格利用をスタートした。今後は、同ICT基盤を日本以外のアジアの店舗に拡大していく予定だとしている。