買収したArubaの技術があちこちに
HPE Discoverではこのように、ArubaがHPEの戦略とポートフォリオにどのように活用されるのかを垣間見ることができた。上記のほか、初日の基調講演でArubaの元CEOで現在HPEでネットワーキング担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーとなったDominic Orr氏が登場、ワイヤレス技術、アプリが実現する新しいワークプレイスについて語った。
HPEはハイブリッドインフラへの「トランスフォーム」、オフィスの生産性アップの「エネーブル」、セキュリティの「プロテクト」、データ主導の企業の「エンパワー」の4つを主軸とするが、Arubaの技術は2つ目の「エネーブル」で重要な役割を持つ。
Orr氏は現在の企業のネットワーキングについて、「クライアント/サーバコンピューティングのために構築した古いネットワーキングインフラをトランスフォームする必要がある」と述べる。単一の運用環境として運用できるアクセスポイントのシステム、アクセスベースではなく、ペルソナ(役割)、位置情報、アプリケーションといった視点からのセキュリティポリシーが必要という。
同社の代表製品である「Aruba AirWave」は、有線と無線のマルチベンダーネットワークを一元管理できるものだ。「有線ネットワークは端末の数がわかっているが、ワイヤレスは動的だ。将来的にはトラフィックとユーザー数などを視覚化し、パターン分析により予測をしながらキャパシティ問題を回避するなどのことを実現する」とOrr氏。
モバイルを使ったエンゲージのためのソリューション「Aruba Mobile Engagement」も紹介、事例としてスペインの王立サン・フェルナンド・アカデミー美術館の取り組みを説明した。同美術館はAruba Mobile Engagementを利用し、WiFiとビーコンによる位置情報ベースのガイドアプリを導入したという。
登壇したチーフキュレーター、Mercedes Gonzalez氏は、人的リソースが少ない中でモバイルアプリによりさまざまなビジターに対応できるという当初想定していた結果に加え、どの展示品が人気なのか、展示品単位での滞在時間と合計の滞在時間はどのぐらいかなど、これまで得られなかった情報を収集できるようになったと述べる。
このような位置情報ベースのインタラクティブなシステムは、病院、空港、ショッピングセンター、スタジアムなどでの利用が進み始めているとOrr氏は述べた。
HPE ネットワーキング担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー Dominic Orr氏