医薬品メーカーの帝人ファーマは、医療機関や調剤薬局に情報を提供する医薬情報担当者(Medical Representatives:MR)のデータ活用策としてビジネスインテリジェンス(BI)ツールを4月から導入した。アシストとクリックテック・ジャパンが12月3日に発表した。
医薬品の提案から販売までのプロセスでは、MRからの医療機関や調剤薬局への情報提供が重要な起点になる。帝人ファーマでは、自社のMRの活動実績と卸の納入情報を含む実消化データを結びつけて相関を調べたり、分析結果から仮説を導き出したりしてMRの活動に役立てたいというニーズがあり、インメモリ型BIツール「QlikView」を導入。データ分析から得られる仮説や示唆を現場部門にフィードバックする環境を整備できた。
これまで、MRの活動実績や全国の医療施設を網羅した医療データベースと医薬品卸から提供される実消化データとの統合は、莫大なデータの処理が実用に耐えられないため見送られていた。
QlikViewの導入後は、エンドユーザーはデータ量を意識することなく高速なレスポンスを保ったまま、データの検索や照会、抽出、分析を同一の分析プラットフォーム上で実行できるようになった。また、実消化からの逆引き検索でMRの活動との相関を明細までたどったり、成績上位のMRの行動をデータに基づいてモデル化した具体的なノウハウを営業部門に提案したりといったことも実現している。
今後は、データに基づいた主要評価指標(KPI)設定やプロモーション策定にも活用を進めていく予定だ。