信頼は成功と人間関係のための共通解であり、このことはほぼ全ての企業や業界に当てはまる。また影響力の土台でもあるため、何かを売ろうとする人にとって今回のトピックは極めて重要となる。
外部の買い手に売り込むのか、経営陣からさらに大きな予算を獲得しようとするのかに関わらず、信頼と影響力は欲しい物を手に入れるための基本要素だ。
情報が自由に行き来するネットワーク化された経済では、買い手は売り手の信頼性を判断するためのさまざまな手段を持っている。これは、製品を売るベンダー企業、消費者に売り込むブランド、さらに企業戦略に影響力を及ぼそうとする上級管理職の場合にも当てはまる。
共感および共通の利益は信頼の礎だが、人間関係を構築するには信用と妥当性も必要となる。コミュニケーションの専門家であるKare Anderson氏は「相互関係(mutuality)」という言葉を使って、共通の関心と相互利益に基づく人間関係を表現している。
この前向きで実践的な観点では、売ることとは耳を傾けることであり、問題を解決して賛同を得ることだ。これは最近の考え方であり、ソーシャルメディアにも企業経営にも等しく通じる。
Anderson氏は文筆家であり、エミー賞の受賞者だ。TEDのスピーチ「Be an opportunity maker(チャンスを生み出す人になろう)」は170万回以上、視聴されている。
筆者は同氏を招き、信頼を築く方法について説明してもらった。下の極めて短い動画で、同氏はなぜ信頼が大切なのか、またどのように信頼を醸成すればよいのかを私たちに伝えている。このトピックは、ビジネスに関わる全ての人にとってこの上なく重要だ。
動画で語られている内容は以下の通り(長さの調整と明確化のために編集した)。
皆さんは信頼と関心を必要としています。人々の関心を集め、信頼を勝ち取り、自分が相手の関心事に気に留めていることを示しましょう。カリスマ性やあなたの肩書よりも、全てはそこから手に入るのです。あなたが私の関心事を気にしていると分かり、あなたがそのことを行動で示したら、さらに多くのことが実現できるようになります。
信頼を醸成する最良の方法は、相手の言葉に耳を傾けたことを示すこと、また相手にとって妥当なアドバイスをすることです。役に立たない助言ほど悪いものはないと言っていいでしょう。信頼を築くには、相手の立場になって「その状況を踏まえて、少しアドバイスをしてもいいですか」と語りかけましょう。相手は「いいえ、私は自分のしていることを分かっています。放っておいてください」と言うこともあれば、快い返事をくれることもあるでしょう。(その場合の返答は)「役に立ちそうな技術、人、または方法がありますよ」。そして相手はあなたに引き込まれ、賛同が生まれるのです。
あなたには他者からの賛同が必要です。共通の状況で利害を持ってもらって初めて、相手に何かをしてもらうことができるのです。また、相互関係も重要です。私は正直、与えることがベストだとは思いません。与えることは始まりにすぎません。2人の人間がそのことに気付いた時、2人は最適解を共有することになります。「これをしてくれたら見返りをあげる」という交換条件ではなく、長い相互関係の中での満ち引きであり、そこではあなたは相手のために存在し、相手もまたあなたのために存在するのです。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。