「インターネットはキメラのようなものだ」。ミネソタ州立大学ムーアヘッド校で計算機科学の准教授を務めるAndrew Chen氏はこう述べる。「これは、さまざまな要素が融合した化け物だ。最初は強力なものに見え、次第に魅惑的になり、最後に危険な存在になる」。現在のインターネットに対するこのChen氏の見方に反論することは難しい。また2016年にも、状況が悪くなることはあっても、良くなることはないだろう。その理由はこうだ。

7.IoTのセキュリティの甘さが露呈する
IoT(モノのインターネット)デバイスに対する攻撃の激化が予想されるが、2015年中には起こらない。「今のところIoTに対する攻撃が広がるとは予想していない。多くの攻撃は、攻撃方法を実証して脆弱性を報告するための、ホワイトハット(善意)のハッキングになる可能性が高い」と、Michael Fimin氏はNetwrix Communityのコラムで書いている。
しかしこれは2016年には当てはまらない。特に、John Dixon氏による「Who Will Step Up To Secure The Internet Of Things?」(誰がIoTの保護に取り組むのか)のような記事をサイバー犯罪者が読めば、危険は増すはずだ。
「現在の大手テクノロジ企業がIoTのセキュリティに取り組まなければ、IoT業界の現在の成長を担っている多くのスタートアップ企業がその役割を果たすことになるだろう。2017年には、IoT関連の製品とサービスの半分以上が、創業3年以内の企業によって開発されたものになるとGartnerは予想している。また、これらの新興企業の一部は優れた技術を持っているものの、多くは十分なセキュリティを確保するのに必要なノウハウを持っていない」とDixon氏は述べている。
提供:iStock