「プロジェクトマネジメント」の解き方

守りながら攻める--CIOと「プロジェクトマネジメント」の現在 - (page 5)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2015-12-15 07:00

――そのために必要なことは。

 経営戦略や事業戦略に関して持論やビジョンを持っていることです。マーケティングやサプライチェーンも含めて、10年後の自社の姿をテクノロジの側からイメージできていること。未来を見据えてビジョンを持つためには、社外とのコミュニケーションも重要です。同業種のCIOの交歓会などに閉じることなく、他業種やITベンチャーの人達とも交流する。もはやテクノロジの世界は「大企業だから偉い」という理屈は通らないわけで、いかに多様な情報を持っているかに勝敗がかかっています。 

 トライ&エラー型の思考回路も、これからのCIOにとってはなくてはならないものです。アジャイルで開発をするということは、人の評価やプロジェクトの動かし方、指示の出し方、上手くいってないときのサポートの仕方も含めて、ウォーターフォール型とは発想を変えるということです。減点主義を捨てて加点主義で、コラボレーションの発想をもち、メンバーの動きを促す。ビジョンやリーダーシップが必要です。


これからのプロジェクト運営

――1人で全部請け負うのは現状難しいような気がするが。

 CIOとCTOを分けている会社があるように、管理する人とリーダーシップを発揮する人で分担する方法はあるかもしれませんが、いずれにしてもシステムは全部つながる必要があります。コミュニケーションと目線の一致を、より意識する必要がありますね。

 いずれにしても、情報システム部の社内業務を積み上げて部長になった人が、突然CIOという名前に変わったときに、これまでの延長線上でこれらの役割が全て果たせるようになるかといったら、それは難しいでしょう。次世代リーダーの育成も含めて、企業が今からでも手を打たなければいけない領域だと思います。逆に次の世代の人たちにとってはチャンスです。

 つまり、第2プラットフォームを過去のキャリアでがっちり経験し、今、第3プラットフォームでプロトタイピングをガンガン回し始めている人たちです。そこで成功していけば、若くてもCIOになるチャンスがあると思います。逆に、変われないCIOは、その場を去らなければならない時がくるでしょう。

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