CIOが「DMP」を理解すれば「攻めのIT」を実現できる - (page 4)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部)

2015-12-22 16:02

――DMPの導入に際して、自社のデータをどう整えればいいのか。

 重要なことは、まず「社内に散在するデータの全容を把握した上で、それらのデータを使ってどんなマーケティングシナリオ/施策につなげるのか」というゴールを設定することです。

 その上で、「システム上どのデータをどのように統合すればよいのかのプランをゴールから逆算して具体化」していくことになります。ただし、この順番を間違えないことが、プライベートDMPを活用してビジネス課題を解決するという意味では非常に重要だと考えています。

 DMPをERPなどの基幹システムと連携させることになりますが、連携の仕方は、既存の基幹システムの持ち方(オンプレミス、クラウドなど)によっても変わってきますし、DMP自体の構築方法によっても変わってきます。一般化は難しいのですが、だからこそ、この領域の最終的なマーケティング戦術と合わせて既存システムとつなぎ合わせる役割が必要とされています。

――コンサルティングから導入までの流れは。

 一般的には、まずパイロットで運用を開始します。これは早い場合、企画構想から運用まで3~6カ月ほどです。とはいえ、前述したように社内データが整備された状況でそろっている企業はまだまだ少ないです。ですので、まずは、散在しているデータを簡易DBを作って名寄せして、あるいはベンダーのオフショア拠点などを活用して集約・統合していきます。本来、DMPが処理すべきところを外部に委託して、まずは実際に施策として展開していきます。

 施策の結果、効果が出ればシステムとして構築していきます。その後、包括的なマーケティングの変革ロードマップを策定して、システム導入し、最適な組織体制を構築していく流れになります。抜本的なシステム改革、組織再編を行うこともあり、大きな投資が伴うので、全社的な経営判断となってくるものです。

 こうしたなか、マーケティングにとって重要なDMPに対して強い関心を持っているCIOがまだ少ないことは課題だといえます。DMPとは、リアルタイムで個々に最適化された顧客体験価値が求められる時代に欠かせないものであり、そのためにはマーケティング部門とIT部門が相互連携し、積極的に施策に関与していくことが必須です。

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