海外コメンタリー

IBMによるIoT戦略の今--新部門設立やパートナーエコシステム確立に見る動き - (page 4)

Jo Best (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-12-16 06:30

 IBMは、情報プロバイダーとしての役割を果たすという戦略を加速させている。同社がThe Weather CompanyのBtoB資産を買収すると発表した際に、Constellation ResearchのチーフアナリストRay Wang氏が語ったところによると、「IBMは過去3年にわたって、データソース企業との提携や買収を実施してきている。これはソフトウェアの提供から洞察の提供に向けた大きな変革という枠組みのなかで語られるものだ。(中略)IBMはデータソースの仲介役となり、基準となる情報を指し示し、そのデータソースを用いて新たな洞察や製品を作ろうとしているのだ」という。

 IBMはIoT分野に新たに参入した企業ではないかもしれない。とは言うものの、GoogleやMicrosoftが「Google Cloud Platform」や「Microsoft Azure」といった製品で同社をまだ追い越せていないというわけでもない。コンサルティング企業Pierre Audoin Consultants(PAC)のクラウド及びアプリ担当シニアアナリストであるGeorge Mironescu氏は、IBMがIoT部門の設立を発表した際のブログ記事で、「製品という観点で見た場合、IBMは一歩先んじたスタートを切れていない。大手の競合企業は極めて明確なやり方でIoTプラットフォームを推進しているが、IBMは『Smarter Planet』というキャッチフレーズに軸足を置き、ポートフォリオの変革における他の課題に取り組んでいた結果、製品のバンドリングやマーケティングという観点で見れば後れを取っている」と記している。

 同氏はさらに、「コンサルティングとシステムインテグレーションという観点から見た場合、IBMはスタンドアロン形式のプラクティスを確立し、数十億ドルという投資で営業能力と調達能力を築き上げた最初の大手SIだ。IBMがこの分野の競合他社よりも先駆けてスタートを切れるのはプロジェクトサービスという領域だ」とも記している。

 しかし同社内部から見た場合、IBMはIoTを手がける一般的な新興企業よりも速く動いているという。Stanford-Clark氏は「IBMの対応速度と、新たなコースに向けて舵を切る速度は、同社の企業規模を考えると極めて素晴らしいものがある。これはまったく新しい世界なのだ」と述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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