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「SAP HANA SPS11」提供開始、Cloud Foundry採用でアプリ環境を刷新

羽野三千世 (編集部)

2015-12-14 11:55

 SAPジャパンは12月10日、SAP HANAプラットフォームの新製品「SAP HANA SPS11」の提供を開始した。新版では、(1)アプリケーション環境をCloud Foundryベースで再構築したほか、(2)メモリ/ディスク/Hadoop上のデータを統合分析する機能の追加、(3)ライブストリーミングデータと地理空間情報データに対応する予測解析アルゴリズムの実装、(4)高可用性/災害対策(HA/DR)の向上――などの機能拡張を行っている。

新規ERP導入企業の9割がHANAを選択


SAPジャパン バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長 鈴木正敏氏

 SAP HANAプラットフォームは、インメモリデータベースと、アプリケーション処理環境(ウェブサーバ/アプリケーションサーバ/アプリケーション開発環境)、データプロセッシング機能(テキスト処理/予測分析/プランニングビジネスアナリティクスなど)、データ統合サービスを単一の基盤に融合し、クラウドとオンプレミス環境に展開できるようにした製品だ。

 2010年の初版リリースから5年が経過し、現在の導入企業数は約1万社。SAPジャパン バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長の鈴木正敏氏によれば、「国内市場でEPRを新規導入する企業の9割がHANAを選択している。また、NECが自社ERPの移行先にHANAを選択するなど、既存システムの大規模な移行事例も出てきた。ERPのプラットフォームとしてHANAは定着している」という。

 今回発表したSPS11では、HANAプラットフォーム上のアプリケーションを拡充していくことを目的に、Cloud Foundryベースのオープンなアプリケーション開発環境へ移行した。さらに、エンタープライズでの運用に耐えるよう、HA/DR機能を強化したほか、IBM Powerチップ上での動作に対応した。

Cloud Foundry採用でアプリサーバが独立してスケール可能に

 従来HANAのアプリケーションは、XSJSという独自のJavaScriptでしか開発できなかった。そのため、「HANAで開発されたアプリケーションは“SAP専用ミドルウェア”という位置付けになり、ほかのシステムでの利用が進んでいない」(同社 プラットフォーム事業本部 エバンジェリストの松舘学氏)。HANAをERP以外のスクラッチアプリケーションを開発するプラットフォームにしていきたいという思いから、同社では2年前から、アプリケーション開発環境の移行プロジェクトを進めていたという。

 SPS11は、この移行プロジェクトが完了した形でリリースされた。Cloud Foundryを採用し、Cloud FoundryのビルドパックのJavaScript(Node.js)エンジン、Java(TomEE)、アプリケーションサーバ、C++(FastCGI)実行環境を提供している。これにより、Node.jsやTomEEを使う既存アプリケーションは、データのI/O部分を切り替えるだけでHANAに移行できるようになった。


Cloud Foundryベースの新規アプリケーション環境は

 Cloud Foundryベースの新規アプリケーション環境は、HANAのデータベースコアとコードの依存がないため、HANAアプライアンスとアプリケーションサーバを切り離すことができる。「アプリケーションサーバをHANAアプライアンスの外に構築し、独立してスケールさせることが可能になった」(松舘氏)。さらに、Node.jsの機能を使ったアプリケーションのマイクロサービス化、GitHub/Git/Mavenによる開発オブジェクト管理にも新規対応している。

 「オープンな開発環境を用意することで、新たなアプリケーション開発者をHANAに呼び込んでいきたい」(松舘氏)

Hadoop上のデータをHANA側で高速処理

 SPS11では、データ管理機能の強化も行っている。HANAのデータの保存先は、(1)HANAのインメモリデータベース上、(2)Sybase IQのディスクデータベース。(3)Hadoop上――の3カ所が選択できるが、SPS11では、(1)~(3)の間で大規模データをルールベースで移行可能にした。さらに、新たに実装した「SAP HANA Voraコネクタ」により、HANAとHadoopの間でデータを透過的に扱えるようになった。

 「ERPデータの分析では、マスターデータとトランザクションデータをJOINする処理が多いが、HadoopはJOINを苦手とする。SPS11では、Hadoopに保存されたデータでも、JOINの処理をHANA側で実行することが可能になり、データ分析が効率化できる」(松舘氏)


HANAとHadoop間でデータを透過的に処理

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