U-NEXTがアプリケーションを監視する理由 - (page 2)

松下康之

2015-12-22 07:00

 またU-NEXTが展開するスマートフォンアプリもモニタリングの対象として管理されており、「アプリのレーティングは常にチェックしていますが、常に良い評価を頂けているようで満足しています」と語った。スマートフォンアプリの監視まで一貫してできる部分が今のモバイルファーストな時代には合っていると思わせる一面であった。


U-NEXTのサーバ間通信のレスポンスが2倍に改善したという

 次にパートナーでもありエンドユーザーであるという立場からNSSOLの小野寺一浩氏などが登壇。社内のシステムのモニタリングと受け身ではなく常に予測してトラブルに対応できるようになったことを紹介した。NSSOLでは独自のダッシュボードを開発して使いこなしており、可視化が業務に役立っていることで問題解決のスピードが大幅に向上したという。


NSSOLが社内で利用するダッシュボード画面。各サーバの状況が一覧できる

 最後に実施したパネルディスカッションではZDNet Japan編集長怒賀新也がモデレータとして参加し、アップダイナミクス内田氏、U-NEXT柿元氏、NSSOLの小野寺氏が「顧客体験とアプリケーションがビジネスに与える影響とリスク」というテーマに沿ってディスカッションが展開した。

 その中でもU-NEXTの柿元氏は「コンテンツ配信ビジネスの世界は、片方にコンテンツホルダーつまりハリウッドのとても厳しいビジネスマンとのやり取りがあって、もう片方にはユーザーが持つさまざまなデバイスからの遅延なく見られなければいけないという要求があって非常に厳しい世界」であることを紹介したうえで「トラブルが起こらないようにするのではなく、トラブルは起こるものとして何があっても良いようにシステムを構成して重要なコンポーネントは分散する」などと言った現場に即したシステム化のポイントを語った。

 内田氏からは顧客との会話での笑い話として「自社のシステムが外部のシステムと連携している場合にこのシステムが入っていれば少なくともトラブルの際に『少なくともうちのシステムは悪くない』という言い訳に使えますね」と言われたと語り、現代的なアプリケーションを運用管理する難しさについてコメントし、会場の笑いを誘っていた。

 また小野寺氏は「既に現代のシステムはトラブルを見つけるためにサーバにログインしてログを見るなんていうやり方ではうまくいかないのは明らか。システム運用管理にも自動化が必須なのでは」と語り、「もしも今のシステムにAppDynamicsがなくなったら?」との質問に、予測しながらトラブルを解決する今のやり方ができなくなると危機感をにじませた。

 最後に次世代のAppDynamicsについて内田氏は「これまでのアプリケーションパフォーマンスモニタリングからもっとビジネスに直結した分析が可能なプラットフォームに進化する」というラスベガスのカンファレンスでも説明した概要について語り、進化を続けるAppDynamicsを印象づけて、イベントを締めくくった。

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