こうした情報を、オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドなど、どのロケーションにあってもメタデータで一元管理できる機能を提供するのがクラウドユニファイドのアプローチだ。Gibson氏は、「クラウドユニファイドのアプローチは、どのクラウド環境でも統一した顧客体験を提供し、データを中心とした一貫性のある情報管理手法を提供する。さらにクラウドサービスの課金モデルは、利用状況に応じて決められることか多いので、顧客にとってもメリットがある」と強調する。
クラウドユニファイドのアプローチ。“Veritas Information Management as a Service Platform”でデータがどのロケーションにあっても一貫性のある管理を実現するとしている
ビジネスモデルを見直しか
すでに同社では製品開発手法にアジャイルを採用し、主要製品のバージョンアップサイクルを1年に1回から50~100日に1回にすると明言している。今後はすべての製品をクラウド対応させる模様だ。ある幹部は「(クラウド対応させることに)技術的課題はまったくない」と語る。
Veritas グローバルチャネル責任者 Mark Nutt氏
ただし、1つ大きな課題がある。パートナーやディストリビューターとの関係性だ。
APJでは、同社製品の95%以上がパートナーやディストリビューター経由で販売されている。Veritasがクラウドに船首を向けたことで、パートナーやディストリビューターは新たな販売戦略を立案しなければならない。当然、販売手法だけではなく、製品ポートフォリオや価格、さらにパートナー自身の売上見込みなどを根本から見直す必要がある。
Veritasグローバルチャネル責任者のMark Nutt氏は、「Veritasもクラウドサービスを提供する企業として発足していない。われわれも、パートナーやディストリビューターがビジネスをしやすく、かつ高い収益性を実現できるようなサービスを提供するよう努力する。顧客に対してどのようなライセンスベースの商品を販売するにしても(パートナーとディストリビューターが)一定の売り上げを出せるようにする」と販売戦略の変更に対して支援する姿勢を強調する。
ある同社幹部は、「今後求められるのは、顧客企業の組織体制を理解し、(Veritasの製品やサービスが)どの部署に対して、どのような価値を提供できるかを明確に説明できる人材だ。これはパートナーやディストリビューターだけでなく、われわれにとっても課題である」と語っている。
クラウドサービスでのパートナーの役割。今後はコンサルティングやサポートの強化が求められるようになる