海外コメンタリー

2016年のオープンソースはどうなる?--栄枯盛衰を予想 - (page 2)

Jack Wallen (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2015-12-29 06:15

デスクトップの(ある程度の)普及

 筆者を笑う前に、とりあえず聞いてほしい。これは別にデスクトップの世界でLinuxが天下を取るという話ではない。ここで言おうとしているのは、Linuxデスクトップの利用が2016年に大きく増えるということだ。その理由は、Windowsプラットフォームに不満なユーザーが依然として多いことと、Chromebook以外のハードウェアでも使えるChrome OSのようなディストリビューションが普及してきていることだ。Linuxの普及は、過去や不可能な未来と戦おうとしているのではない、新たな代替ディストリビューションの人気が高まっていることで後押しされるだろう。

 しかしより重要なのは、情報が広まることが、Linuxデスクトップの普及にプラスに働くことだ。実際、OSには別の選択肢があり、その選択肢の方が費用対効果も信頼性も高いということに気づく人が増えてきている。また、Chromebookの普及が続くにつれ、普通のユーザーも仕事に本当に必要なのは何かを認識するようになっている。それはブラウザと、ブラウザを使うための信頼できるプラットフォームだ。

「LibreOffice」がクラウド対応になる

 これは不可避だ。LibreOfficeが互角に戦っていくためには、クラウドを利用可能にすることは必要不可欠だと言っていい。2016年には、ようやくその取り組みが始まるはずだ。すぐに完成した製品が出てくるとはまったく考えていないが、Collabora(LibreOffice開発の主なコントリビュータ―の1つ)がIceWarpとのパートナーシップを発表した時点で、ある程度の仕事はすでに終わっている。計画では、2015年の終わりまでには何かが提供されるはずだったが、これは実現しなかった(少なくとも、一般に公開可能な形での成果はなかった)。一応、製品のデモ版を手に入れることはできる(このデモ版を試してみたが、これはデモ版とは言えなかった。一般利用者が見られるものになるまでには、まだかなりの作業が必要だ)。しかし、2016年中には実現すると思われる。実現しないようであれば、LibreOfficeは競争で後れを取っていく一方だろう。

モバイルの普及が後押しするもの

 モバイルテクノロジが主流であるという状況は、2016年も変わらない。いまや、スマートフォンなしでの生活は考えられなくなっている。そのため、各サイトはこれに合わせて進化する必要がある。ここに、オープンソースが成長する余地がある。モバイル対応能力に優れた「Magento」や「Wordpress」、「Drupal」などの優れたオープンソースサイト構築ソリューションは、2016年にはさらに市場支配率を高めるだろう。企業はウェブ上でのプレゼンスを示すために、より素早くモバイル対応能力に優れたアプローチを必要としているため、この効果は、大企業から中小企業へと浸透していくと思われる。

 2016年はオープンソースにとって記念すべき年になる。サーバからモバイルまで、世界のあらゆる場所で、Linuxやオープンソースが今よりも利用されるようになるだろう。これらの予想はどのくらい当たるのかは、時が経てば分かる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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