非営利団体Linux Foundationは米国時間12月17日、フィンテックの注目技術であるブロックチェーンのフレームワークを開発する「Hyperledger」という最新の協業プロジェクト立ち上げを発表した。国際銀行間通信協会(SWIFT)、ロンドン証券取引所、三菱UFJフィナンシャル・グループ、J.P. Morganといった金融機関やハイテク企業が参加している。
ブロックチェーンは、トランザクションの記録と確認のためのデジタル技術。Linux Foundationによると、この分散型台帳はこれまでの中央集権型とは異なり、コスト効果の高いビジネスネットワークを構築して永続的で安全に台帳機能を提供するツールだという。これにより、価値あるものなら何でも追跡と取引が可能になり、この新しい技術を導入することで企業に大きなメリットが期待されるとしている。
協業プロジェクトでは、エンタープライズレベルのオープンソースの分散型台帳フレームワークの開発、それにビジネストランザクションをサポートする堅牢性のある業界固有のアプリケーション、プラットフォーム、ハードウェアシステムの開発を行う。
設立メンバーは、技術企業ではAccenture、Cisco Systems、富士通、IC3、IBM、Intel、VMware、フィンテックのR3。金融機関ではANZ Bank、CLS、Credits、ドイツ証券取引所、Digital Asset Holdings、DTCC、J.P. Morgan、ロンドン証券取引所、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、State Street、国際銀行間通信協会(SWIFT)、Wells Fargo。
設立メンバーの中にはすでにブロックチェーン技術に研究開発などの投資を始めているところが多く、自社の技術を持ち寄る。たとえばDigital Assetは「Hyperledger」ブランドを寄贈し、これをプロジェクト名にする。同社はコードや開発リソースも寄贈する。R3は、銀行や金融機関の要件を満たす最新の財務トランザクションアーキテクチャフレームワークを寄贈するほか、IBMも既存のコードと関連する知的所有権(IP)を寄贈する意図を表明しているとのこと。
すでにいくつかの業界で分散型台帳システムの構築が始まっているが、さまざまなプレーヤーが参加して複数の業界が必要とする機能を盛り込んだオープンソースの協業的な開発はメリットをもたらすとの考えをLinux Foundationは記している。