三国大洋のスクラップブック

元シスコの女性重役が中国EVベンチャーの米国CEOに - (page 2)

三国大洋

2015-12-26 07:30

 Faradayの方は、中国ネット動画配信最大手の「LeTV」創業者が後押しするEVベンチャーという触れ込みで英語媒体では紹介されていることが多い。

 LeTV(企業名はLeshi Information & Technology)の創業者Jia Yuetingは、Faraday以外にAtievaというEVベンチャーにも出資し、さらにLeshiでもEV開発を狙っていることなどから、「中国版Elon Musk」になろうとしている、などと書かれた記事もよく目にする。「中国版Steve Jobs」はXiaomi共同創業者のLei Junにとられてしまっているが、「中国版Muskならまだ大丈夫」といったところかもしれない。

 このJia Yuetingに焦点をあてたForbes記事(11月上旬のもの。*4)の中には、JiaがEVの事業から利益を上げることをさほど期待していない、あるいはLeTVでこれまでに手がけたテレビやスマートフォンと同じように、EVをLeTVのコンテンツ配信先の1つととらえている、という一節がある。まさに「走るモバイル端末」という感じがする。

 FaradayもNextEVと同様、すでに400人程度の人員を確保しており、2017年には第1号車を市場投入する目標を掲げている。また来月のCES(ラスベガス)にはプロトタイプを出展予定だという。

 中国政府が「2020年までに500万台のEV普及」という目標を掲げて、EV普及を進めようとしていることや、そのためのインフラづくりとして携帯基地局網を利用しながらEV充電網を整備しようとしているのは以前に記した通り。そうした流れを受けて、この2社以外にも倒産した米のEVベンチャー、Fisker Automotiveを買ったWanxiang Groupなどもこの分野への参入に向けた準備を進めているという。

 なお、携帯通信端末分野の分析で有名になった独立系アナリストのHorace Dediuが12月はじめにゲスト出演したBloomberg Westのなかで、自動車のビジネスについて「例えばランボルギーニのように超高級車を年間3000台(販売)といった程度なら、事業としてはさして大変ではない。

 本当に大変なのは事業を年間数十万台、数百万台といった単位までスケールさせることで、テスラでもその部分はまだこれから」などと指摘していた(*5)。Dediuは3年ほど前から「Asymcar」というブログ・ポッドキャストも続けてきているので自動車産業についての知見がそれなりに蓄積していると思われる。Teslaの背中を負うEVベンチャー各社が、そうした規模の壁に突き当たる日が来るのだろうか。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

関連記事

関連キーワード
2020年のIT

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]