(2)Dockerの隆盛
Dockerとは、米Docker社が開発しているOSSのコンテナソフトウェアです。コンテナとは、ウェブサーバなどのアプリケーションの実行環境を抽象化する技術で、KVMなどの「ハイパーバイザ型の仮想化」に対して、「コンテナ型の仮想化」と呼ばれています。コンテナの技術自体は古くからあり、それほど目新しくありませんが、クラウド利用が活発化する中で注目された技術になります。このコンテナ技術を活用することで、ポータビリティやインターオペラビリティを高めることができるため、大いに注目されています。
特に3月には、米Red HatがDockerアプリの認定制度やコンテナ対応アプリケーション開発ツールを発表し、Dockerコンテナの普及促進を図る施策を展開しています。
また6月にDocker社は、これまでDockerの方向性に同意できないと独自のコンテナランタイムを開発していた米CoreOS社やその他の有力ベンダーと共に、Linux Foundationの支援のもとコンテナフォーマットとランタイムに関する共通仕様を定義する「Open Container Initiative』を設立しました。
その後、米Googleが、Dockerコンテナのオーケストレーションツールである「Kubernetes 1.0」を7月にリリースしました。この「Kubernetes」には、Dockerコンテナの実装、レプリケーションやモニタリングなどの管理などの機能があり、多数のコンテナを1つのシステムとして管理することで、開発と運用を簡素化できるようになります。
このようにDocker本体だけではなく、その周辺ツールも充実してきたことで、Dockerは今後ますます盛り上がってくるのではないかと思います。