シグマクシスは12月22日、米IPsoftとの協業を発表した。IPsoftが開発、提供する運用管理自動化ソフトウェアをシグマクシスが日本市場での販売を支援する。運用管理に課題を抱える日本企業にIPsoft製品を活用したコンサルティングサービスも提供する。
IPsoftが提供する「IPcenter」は、人工知能(エキスパートシステム)を使って、運用管理業務を統合的に管理し、業務効率と運営品質を向上できるという自律学習型IT運用管理自動化ソフトウェア。サービス提供形態には、マネージドサービスであるSaaS型とライセンスを供与し、自社で自動化を推進するオンプレミス型のサービス形態がある。
具体的には、IPsoftがIT運用サービスプロバイダーとして培った1200以上のテンプレートを活用することで、オペレーターやエンジニアのタスクを自動化するだけではなく、障害の検知から修復、クローズまでの一連の対応を24時間365日で稼働する“仮想エンジニア”が遂行できるようにする。
- TechRepublic Japan関連記事:ハイブリッドクラウド座談会
- 企業ITの行き先を徹底討論する
- エンタープライズ×AWSをさまざまな視点で議論
- SDNやDockerは何を変えるのか
- アーキテクチャを理解しておく必要がある
- IT部門に求められるスキルが変化している
ITサービス管理のベストプラクティスをまとめた「ITIL」のプロセスに準拠することで、これまで困難だったプロセスと意思決定も自動化し、人手による業務量を最小化すると説明。業務効率化により新たな技術を習得する時間的余裕が得られ、情報システム部門の要員能力やモチベーションの向上、運用サービスプロバイダーの新規サービス開発からサービスインまでのスピード向上など、事業価値向上に貢献する成果をもたらすとしている。
IPcenterはIT運用サービスプロバイダー向け、ユーザー企業向けとして全世界の多くの企業で採用されており、合計100万台以上のデバイスの管理に活用されている。それらのユーザーが実際に得られている効果の主なものは以下の通り。
- インシデント自動修復率70%(グローバル通信プロバイダー)
- 障害解決時間平均40分→3分以下(グローバル金融機関)
- オペレーションセンター全体の作業時間を40%削減、L1エンジニアを半減。(国内IT運用プロバイダー)
- データベース運用管理の要員コスト削減44%(グローバル金融機関)
- 大量の変更作業が伴うシステム移行プロジェクトでのヒューマンエラーゼロ%(米国大手保険会社)
シグマクシスは、日本でのITILマネージャー取得第1号のコンサルタント、日本最年少取得(2006年当時)のコンサルタントを含む、ITIL専門家を擁し、2008年設立来、大手企業に対してITマネジメントコンサルティングサービスを提供してきたと説明。2月に出資した情報セキュリティコンサルティングを提供するグローバルセキュリティエキスパート、ネット詐欺対策ソリューションを提供する米Easy Solutionsとの協業も開始し、セキュリティへの取り組みも拡大していると解説する。