Fintechの正体

「Fintechイヤー」だった2015年(前編)

瀧 俊雄

2015-12-27 07:30

 2015年は日本の金融界にとって、Fintech元年と呼ぶにふさわしい展開を見せた1年であった。個別のプレーヤーへの注目に加えて、官公庁や政治家、金融機関やシステムインテグレーター(SIer)がそれぞれ、従来とは異なる規模とスピード感で動き出した。また、専門誌のみならず、一般向けのメディアでも、金融の新たな形に期待する特集が数多く組まれた。

 また、ベンチャー業界でも、それまではSaaS、PFM、ブロックチェーン、資産運用、セキュリティなどといった個別テーマで展開してきたプレーヤーたちが、Fintechという1つのジャンルとしてまとまることで、新たな連帯が生まれた1年でもあったともいえる。

Googleでの「Fintech」検索数推移
Googleでの「Fintech」検索数推移

 これだけの隆盛が見られた一番の要因は何であろうか。筆者は(1)日本の金融関連当局がFintechを金融制度における一大要素と位置づけたこと、(2)金融機関とSIerの動きがベンチャーの協働にいち早く動いたこと、(3)海外におけるFintech産業のさらなる展開、の3点が複合的に進んだことがその要因であるとみている。

 この記事では上記の流れについて、代表的だったニュース3点と、その余波を前後編に分けてみていくことにする。


'2015年の代表的なFintechニュース一覧 1~6月

'2015年の代表的なFintechニュース一覧 7~12月

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