人材育成の新手法「アクティブラーニング」

社内コミュニケーション失敗の末路--日本人の2大死因から考える - (page 3)

得能絵理子

2016-01-10 07:00

 さて、死因2位の心疾患とは何か。心疾患とは、血管に何らかの問題が発生し、心臓に、あるいは心臓からの血液がうまく流れなくなる症状を指す。心臓が最も重要な内臓器の1つであることは言うまでもない。体中が血液を求めている。その血液が送り込めなくなるということは、あっという間に肉体に死がもたらされることになる。

 インドの民間大手航空会社、エアウェイズ。同社が保有するボーイング777型機が2014年、760メートルも急降下するという事故が起きた。その原因は、なんと機長が居眠りをしており、副機長がタブレット端末に夢中になっていたことが原因であると言われている。大事故にはならなかったが、実は航路も大きく外れており、一歩間違えれば、別の航空機と空中衝突する恐れさえあったという。

 ジェットエアウエィズと同機長らは、この事故を当局に報告しなかった。この重大情報が、インド民間航空管理局(DGCA)の耳に入ったのは、事件が発生してから数日後のこと。しかも匿名の情報提供者によって、当局が知るところとなったのだ。

 急成長するアジア航空市場で、こうした事故が急増中であるということを、ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙が詳細な調査の末、突き止めた。WSJの調査では、インドとインドネシアでは過去10年でこうした事故が200%、中国では300%も増しているという。


 2014年3月にマレーシア航空が消息を絶ったことは記憶に新しい。12月には、エアアジアの航空機が墜落し、乗客乗員162人が全員死亡した。

 おそらく、こうした事故が起こる前に、多くの小さな事故が起こっていたに違いない。そうした事故が報告もされず、根絶させるための抜本的な改革もなされていないまま置き去りにされてしまった。その結果、こうした大事故につながり、多くの罪なき人の命を奪うことになったのだ。このような事故は、会社そのものの将来をも吹き飛ばすことにつながりかねないのにだ。

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