Debian Linuxの創始者で、最近ではDockerの幹部を務めたIan Murdock氏が12月末、この世を去った。42歳という若すぎる年齢だ。死因はまだ明らかではない。
Dockerはブログで、Murdock氏に追悼を捧げた。
サンフランシスコ市警察は、Murdock氏の死についてコメントすべきことはないと述べている。Murdock氏の逮捕記録とみられるものが公開されているが、空白のままだ。
サンフランシスコ市警に近い筋によると、米国時間12月26日の午後11時30分、男(Murdock氏)がスタイナー通りとユニオン通りが交差する角にある家に侵入しようとしているという通報があり、警察が駆け付けたという。
Murdock氏は酔っていたとされ、逮捕に抵抗しようとしたとされている。警官は2件の暴行罪、1件の公務執行妨害でチケットを切った。救急救命士(EMT)がその場でMurdock氏の額の傷を手当てし、同氏はその後病院に運び込まれたという。
27日の早朝2時40分、Murdock氏は近所の家のドアをドンドンと叩いたことから逮捕された。その数時間前に入ろうとした家のドアだったのかどうかは不明だ。Murdock氏はサンフランシスコの郡拘置所に連行され、同日の午後には2万5000ドルの釈放金を支払って釈放された。
Murdock氏は翌28日、「自殺する」とツイートしている。その後、ツイートで一連の警察とのやりとりを記し、最後のツイートには「私は白人男性で、多額の報酬を得ており、高額納税者だ。だが警官の職権乱用に疲れ果てた」と記している。
「自殺する」というMurdock氏のツイート。この後、同氏は一連のつらい体験について何度もツイートし、自殺したとみられる。
Murdock氏はその夜に死亡した。この記事の執筆時点で、死因は定かではない。
Murdock氏の死は、オープンソース分野の大きな損失となる。同氏は、初期に誕生したLinuxディストリビューションで現在でも多くの利用者がいるDebianを創始し、Sun Microsystemsではオープンソースの取り組みを率いた。またLinux Foundationの最高技術責任者(CTO)を務め、Dockerの幹部でもあった。その死が惜しまれる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。