Teper氏は「OneDriveとSharePointのチームを統合した理由はいくつかある」と述べ、「われわれは、ユーザーの個人的な生活と仕事上の生活を通して、一貫性のある(ストレージ)エクスペリエンスを提供していきたいと考えている。ドキュメントの閲覧や共有は一貫性を有しているべきだ。もちろん、一部の業務は厳格に管理されなければならない。しかし、そのようなエクスペリエンスも、まったく違ったものではなく、既存のエクスペリエンスの延長線上に位置しているべきだ」と続けた。
Teper氏によると、かつてのOneDriveチームはWindows環境に特化しており、「コンシューマーに焦点を合わせていた」という。このため、チームはモバイル機器管理などについてあまり考慮できていなかった。しかし現在では、チームが統合された結果、「OneDriveチームは企業の要求やセキュリティなどに精通し、SharePointチームは(コンシューマーに焦点を置いていたOneDriveチームのメンバーのおかげで)簡潔さとユーザーの望むことを理解できるようになった」という。
Teper氏は、OneDriveのほとんどが現在のところ、同社のPaaSである「Microsoft Azure」上で稼働していると述べた。SharePoint内のOneDriveストレージすべても既に、そこに配備されている。また同氏によると、「Microsoft SQL Server」から「Azure SQL Database」に移行中のデータベースの「割合が増加している」という。同氏は、最終的に「Azure内にエクサバイト規模のストレージを用意することになる」と述べ、時とともに「Azure PaaS上のOneDrive向けとして多くのコンピュートやストレージが移行されることになる」と付け加えた。
また同氏は、Azureの移行とともにチームは、より多くのAzureサービスをOneDriveとSharePointに統合する検討を行っているとも述べた。Azure上のアプリのロジックを用いるSharePoint向けの「Microsoft PowerApps」を開発するといった興味深いシナジーの可能性があるという(PowerAppsは、企業ユーザーによるモバイルアプリ構築を目的としたMicrosoftの新しいサービスだ)。
Teper氏とチームは2016年に他にどういったことを考えているのだろうか?
同氏は、「SharePoint Server 2016」のリリースが依然として「春の早い頃」になるだろうと述べている。SharePointのこの6番目のリリースについて同氏は、「開発したほとんどすべてのコードは本番環境上の3万7000〜3万8000台に及ぶMicrosoft Office 365サーバ上で稼働している」と述べるとともに、「アップグレードのような新しいコードもあるが、SharePointのコードの95%(オンプレミス向けリリースにも含まれる)は、既に数千万人のユーザーによって使用されている」と述べた。
またTeper氏は、オンプレミスとクラウドというハイブリッドのシナリオをサポートすることが「SharePoint 2016」で力を注いでいる点だと繰り返した。同氏によると、OneDrive for Businessはクラウド上で稼働しているため、ハイブリッド環境というものはクラウドへの移行に向けて「人々を解き放つ」ための鍵になるのだという。