2016年は、3年前に発表した「2015中期経営計画」の成果を社会に示し、またその成果を基盤として、NECがさらなる成長を実現していくための新たな道筋を示す年である。

NEC 代表取締役執行役員社長 遠藤信博氏
この3年間で、われわれは社会ソリューションの実現のために注力してきた「ビッグデータ」「クラウド」「SDN」「セーフティ」の4領域において、グローバルな展開を含めた実績をあげてきた。これらを踏まえて、NECグループが社会に貢献し、企業として継続していくために、わえわれの優れたICTアセットの力を生かして、より良い新たな価値創造を実現していかなければならない。この目標に向かって、社員一人ひとりが引き続き強い意志を持って取り組むことを期待する。
世の中ではIoTが急速に進展し、集められた膨大なデータを「情報」から「知識」や「知性」にまで高めて、新たな価値を創りあげるAI(人工知能)が大きな注目を集めている。NECグループは、クラウド・ビッグデータ・IoT・AIの活用によって起こる第4次産業革命をリードし、「リアルタイム」「ダイナミック」「リモート」という3つの重要な機能を作り上げるICTの力を通じた新たな価値創造で、人間社会により大きな貢献をしていく。
また、長年の懸案であったTPPが大筋での合意に至り、経済のグローバル化が着実にまた一歩前進した。法人実効税率の引き下げなど政府による支援に加えて、業務改革を中心とした我々自身の内なる努力も推し進めて、グローバル競争力の獲得に向けた盤石な事業基盤を構築していかなければならない。
今年の夏には、ブラジルでリオデジャネイロ2016オリンピック・パラリンピックが開催され、その後は東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて、いよいよ日本が大切な襷(たすき)を受け取る番となる。日本のおもてなしを世界の人々に届けるために、安全・安心・効率・公平の観点からのさまざまな新しい社会インフラを実現し、創りあげていかなければならない。