NTTネオメイトは、DaaS「AQStage 仮想デスクトップ」の共通基盤に、仮想化専用ストレージ「Tintri VMstore」を採用した。ティントリジャパンが1月8日に発表した。
AQStage 仮想デスクトップは、NTT西日本グループ向けに仮想デスクトップサービスを導入してきた実績をもとにして開発され、現在、同グループに3万5000台、一般企業に1万5000台の合計5万台に対してサービスを提供している。デスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware Horizon」を使って高機能、高品質の仮想デスクトップ環境を構築できることに加え、概念実証(PoC)サービスなども提供する。
「AQStage 仮想デスクトップ」サービス基盤(ティントリジャパン提供)
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今回は一般企業向けの事業を拡大すべく、スタンダードプランの大幅改訂とインフラの刷新を図った。これまでの運用経験を踏まえ、仮想デスクトップのパフォーマンスに影響を与えるストレージに関しては、想定を超える負荷が発生しても性能を担保でき、特定の仮想マシンに関する各コンポーネント(サーバ、ネットワーク、ストレージ)のレイテンシをエンドツーエンドで把握したいといった要求があった。
選定時に重視したポイントは次の3点である。
- ストレージが仮想マシンを認識し、仮想デスクトップ環境が遅延した際の問い合わせに迅速に対応でき、仮想デスクトップのレプリケーションなどの要件にも柔軟に応えられること
- 仮想マシンの性能に影響を与えているストレージ以外の要因についても把握し、仮想マシン単位でストレージ、サーバ、ネットワークの稼働状況を可視化でき、どこがボトルネックになっているのかを特定できること
- 想定外の事態をコントロールできること。スタンダードプランは、ストレージを含む基盤の一部を共有アーキテクチャで運用しており、ストレージのサイジングの前提を超える想定外なケースが発生した際の性能の担保は重要な課題だった
各社のストレージを比較検討した結果、上記3つの要件を満たしたTintri VMstoreの採用を決定し、2015年10月に同製品を利用した新サービスを開始した。
仮想マシン単位で入出力処理(IOPS)の上限値と下限値を設定できる点も採用のポイントになったという。これにより、仮想デスクトップ環境の負荷が突発的に増大しても、20IOPSを常に確保できる「ディスク性能予約」機能を標準で提供可能になった。高負荷ユーザーやVIPユーザー向けには30IOPS、40IOPSの予約も有償で対応する。
20IOPSのディスク性能予約を標準機能として提供(ティントリジャパン提供)
また、従来は2カ月を要した増設設計もTintri VMstoreでは不要となるため、増設に要する期間を大幅に短縮し、急速な事業拡大にも柔軟に対応できると期待されている。
NTTネオメイトは今後、同サービスにおいて、フラッシュストレージ上のデータ重複排除や圧縮によりフラッシュヒット率99%以上を実現し、常時1ミリ秒以下のレイテンシで顧客にサービス提供することを目指している。