食品、化成品メーカーのDSP五協フード&ケミカルは、ビジネスインテリジェンス(BI)製品「Dr.Sum EA」を導入し、300種類以上あったレポートの数を10分の1に集約、個々の社員が自分に必要なデータを自由に閲覧できる分析環境を構築した。ウイングアーク1stが1月12日に発表した。
DSP五協フード&ケミカルは、約120年の歴史を持つ大日本住友製薬のフード&スペシャリティ・プロダクツ部門と、商社として約70年の実績を持つ五協産業が事業統合して2010年に発足。食品の食感や品質をコントロールする多糖類をはじめ、食品素材や化粧品原料、衣料品原料、電子薬剤、コーティング材料、工業薬品などの事業分野にまたがり、取扱商品は1万品目以上に拡大している。取引先は国内外で数千社以上に広がっているという。
事業統合以降は、特に営業部門での情報活用に注力してきた。従来は、日立ソリューションズがスクラッチ開発した営業情報システム「うる蔵くん」を活用し、基幹業務システムから収集した販売実績データを長期にわたって蓄積し、売り上げの期間比較や予実管理を実施してきた。
その一方、全ての営業担当者のニーズに応じて検索画面をスクラッチで開発するのは非現実的だった。事業統合前から使っていたBIツールを利用したが、次のような問題が生じた。
- 利用ユーザー単位のライセンス体系のため、ユーザー数の増加に伴い多額の費用が掛かり、コストの問題が発生した
- 営業部門の担当者が使いこなすにはBIツールのハードルが高く、個別要件に応えるレポートをシステム部門で提供。その結果、300種類以上の“似たような”レポートが乱立した
こうした問題を課題すべく、DSP五協フード&ケミカルはDr.Sum EAを採用し、営業部門が自らの手で情報活用できる環境を目指した。
乱立していたレポートを集約、個別対応や運用負荷を軽減
Dr.Sum EAの導入により、乱立していたレポートが集約された。エンドユーザーは、顧客や商品などの項目を切り替えながら見たいデータを自由に表示し、簡単な分析を行っているという。レポートの種類は10分の1以下に集約され、どれを見ればよいのかと迷うこともなくなったとしている。システム部門での個別対応やメンテナンスの負荷も大きく軽減した。
ITスキルの高いパワーユーザーに対してはレポーティング&OLAPツール「Dr.Sum EA Datalizer for Excel」を用意し、より柔軟かつ詳細なデータ分析のための環境を整えた。Excelのインターフェースを使って経営管理や業績分析などの業務で日常的に使われている。
DSP五協フード&ケミカルは今後、BIツールの社内活用をさらに積極的に推進していく予定だ。