編集部からのお知らせ
「ZDNet Japan Summit」参加登録受付中! 
新着記事集:「負荷分散」
日本株展望

為替、地政学リスク、アベノミクスなど、読者からの質問に回答 - (page 3)

ZDNet Japan Staff

2016-01-13 11:02

「アベノミクスは終わっていない」と書いたことに対する質問および意見

 アベノミクスは終わっていない?そもそも最初から実態はなかったのではないか。アベノミクスなんて何のことはない。結局、海外事情が全て。だって誰が相場を動かしているのか、外人でしょ。

 安倍首相の政治目標はいまや「2020年の五輪を自分の手でやり遂げる」「あと4年の間に憲法改正に道筋をつける」の2点に絞られ、デフレ脱却や構造改革はもはやどうでもよくなったのでないか?(複数の方のコメントを抜粋して、1つにまとめて掲載しています)

【窪田氏からの回答】

 外国人が日本株の動きを決めているのは事実だ。私は、短期的な相場予測をする場合、常に外国人がどう動くかを考えている。外国人投資家は、投資先の国の政治の変化に敏感に反応する。政情不安は売り、政治の安定は買いになる。日本の政治は安定しているが、それでも内閣支持率の変化に、政権安定度の変化が表れる。外国人は内閣支持率が高いときに買い、低くなると売る傾向がある。

 外国人投資家が投資先国の政治をチェックする重要な切り口が、もう1つある。資本主義政策を推進する政権が支配する国は買い、社会主義(社会福祉を重視する)政策を推進する政権が支配する国は売りと判断する。

 2012年末の総選挙で、民主党政権が終わり、自民党政権が誕生した。外国人投資家の目には、「社会福祉を重視する政権が終わり、資本主義政策を重視する政権が成立した」と映った。これを受けて、2013年には外国人投資家が日本株を15兆円も買い越している。

 ところで、外国人投資家といっても、国によって多少考え方は異なる。欧米の投資家は、だいたい今述べた考え方で一致する。中東オイルマネーには、欧州人のコンサルタントがつくことが多いので、欧米投資家と近い考えで動く傾向がある。

 私は、かつてファンドマネージャーをやっていた時に、中東・中国・米国などに出張し、現地の投資家とさまざまなディスカッションを重ねてきた。その時に、彼らが日本株を見る目がどういうものか感じ取った。その時の経験を生かして、今、外国人の目に日本がどう映っているかをいつも考えている。

 私が「アベノミクスは終わっていない」と述べるのは、外国人の目に映るアベノミクスの性質がそんなに変わっていないという意味だ。外国人から見て、アベノミクスが「資本主義色の強い政策を進める」状況が変わっていないことを意味している。日本人がアベノミクスを見る目とは、若干異なる部分もある。

 消費税率を引き上げながら法人税率を引き下げるのは、明らかに資本主義的政策だ。TPP、農業改革の推進、官業(日本郵政・空港など)の民営化推進も、資本主義的政策だ。マイナンバー導入によって電子政府を推進し官公庁の労働生産性を高めることも、同じといえる。

 私は、これらの政策が、日本国民の幸福増進につながるか否かは議論していない。あくまでも、外国人の目から見て、資本主義的政策を推進中と映るか否かだけを議論しているつもりだ。

 私は、現在のパニック売りが収まれば、外国人投資家は再び日本株を買い増しすると予想している。ただし、安倍政権が憲法改正の議論に深入りし、経済政策をおろそかにして、支持率を低下させることになると、外国人の買いが入らなくなるリスクもあると考えている。

 過去記事は、キーワード「日本株展望」から読めます。

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

特集

CIO

モバイル

セキュリティ

スペシャル

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. クラウドコンピューティング

    Google Cloudセキュリティ基盤ガイド、設計から運用までのポイントを網羅

  2. セキュリティ

    仮想化・自動化を活用して次世代データセンターを構築したJR東日本情報システム

  3. ビジネスアプリケーション

    スモールスタート思考で業務を改善! 「社内DX」推進のためのキホンを知る

  4. セキュリティ

    Emotetへの感染を導く攻撃メールが多数報告!侵入を前提に対応するEDRの導入が有力な解決策に

  5. セキュリティ

    偽装ウイルスを見抜けず水際対策の重要性を痛感!竹中工務店が実施した2万台のPCを守る方法とは

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNet Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]