Easy Solutionsは、ネット詐欺対策製品・サービス専門のベンダーであり米国に本社を持つ。ネット詐欺のあらゆる段階に対策サービスを提供している点や、フィッシングの標的になりそうなサイトにスクリプトを仕込むことで、事前に詐欺を防止する独自の技術が市場から評価され、詐欺対策に追われる金融機関にとって有効な解決策という。Easy Solutionsの創業者であり最高経営責任者(CEO)であるRicardo Villadiego(リカルド・ビラディエゴ)氏にセキュリティへの取り組みや特徴、今後について聞いた。
――Easy Solutionsはどのような企業か。
Easy Solutionsは、ネット詐欺における対策ソリューションのプロバイダーとして、2007年に設立しました。ネット詐欺は全世界共通の課題しており、その分野のトップを目指しています。
トップであるためには世界各地域にプレゼンスを持たなくてはいけませんが、2013年に1100万ドルの出資があり各地域に展開を始め、日本には2014年にオフィスを開設しました。
Easy Solutions 創業者兼最高経営責任者(CEO) Ricardo Villadiego(リカルド・ビラディエゴ)氏
Easy Solutionsは市場参入の際に、必ず有力なパートナーと組むというマーケティング戦略を取っています。そういったパートナーを得ることによって、技術開発に注力することが可能です。日本ではシグマクシスと包括的提携契約をし、国内に向けた販売や共同サービスを提供しています。
――どういう人たちがEasy Solutionsの製品やサービスを導入しているのか。
最も多いのは、金融機関です。特に、オンラインのトランザクション、取り引きのあるような会社に有効であるため、世界中の大手銀行が導入しています。犯罪者は、不正行為や攻撃によって不正に送金し、現金化します。われわれは、その対策をITで担っており日本でも大手銀行を中心に導入や検討が進んでいる状況です。
――同様の製品やサービスとの差別化ポイントは。
エンタープライズ型の詐欺対策製品では競合がいますが、われわれは銀行の個人顧客向けサービスに対しても製品を提供しています。金融機関のその先にいるコンシューマーも視野に入れていることが、大きな違いです。
また、詐欺のあらゆる段階に対しても統合的な対策ができる点が特長です。多くのベンダーは詐欺の「計画・誘導」「感染」「現金化」などの段階のうち特定のひとつだけに注目して製品やサービスを提供していました。われわれが詐欺行為や不正送金といった犯罪の内容を分析すると、必ずいくつかの段階を踏むことがわかりました。
犯罪者はまず、金融機関をターゲットにして、その金融機関に口座を持っている預金者、あるいは楽天のようなECの会社の会員や利用者の情報を盗むことから始まります。これが最初の計画と標的の選定の段階になります。そして情報のみを盗み出す段階へ進み、最終的には不正な形で現金化する段階に至ります。必ずこのサイクルをたどっていきます。
犯罪者に対する知見と知識をもとにサービス基盤を構築したため、われわれの製品ではそれぞれの段階で検知や対策を可能にしています。準備、標的選定段階では、犯罪者がいつその標的に対する攻撃を仕掛けようと計画しているか予測可能です。また、金融機関の顧客の情報がエンドポイントで、「Man in the Middle Attack(中間者攻撃)」によって危険にさらされたときも検知可能です。