StifelのアナリストであるAaron Rakers氏は、エンタープライズ市場でHPCが勢いを増しつつある理由をいくつか挙げている。
今後Intelの「Broadwell」プロセッサ世代と、同社の次世代プロセッサ「Xeon Phi」がCrayのアップグレードを後押しする。それに加え、Intelはネットワークファブリック技術でもMellanoxの後を追っている。これらの技術開発は、すべてアップグレードを後押しする可能性がある。
法人顧客の拡大。Rankers氏は次のように述べている。
Crayの経営陣は11月半ばに、SC15での法人顧客向けブリーフィングの数はSC14に比べ4倍増えたと述べており、同社は2015年の売上高における法人顧客の割合を15%と予想している(これは2014年の2倍にあたる)。
Crayは主に、エネルギー、製造、金融、生命科学の各業界の企業に力を入れている。Crayの見方では、50%以上の稼働率を必要とする企業は、オンプレミスのHPCを導入するようになるという。
ビッグデータ、アナリティクス、HPCが融合しつつある。Crayはアナリティクスとビッグデータのワークロードに最適化されたシステムとして設計された「Urika」と呼ばれるプラットフォームに投資している。同社はUrikaの売上高を公表していないが、アナリストは同社が利益を犠牲にしてこの取り組みに大きく投資していると述べている。
Bolding氏は、ビッグデータがCrayにとって重要な成長分野だと述べている。例えば、センサが改善されたことによってデータの量は増加し、企業はより統合されたシステムを模索するようになっている。「これまで、当社は政府や科学研究が盛んな大学に製品を売り込んでいたが、市場は拡大している。アナリティクスは当社の3つの事業(コンピューティング、ストレージ、アナリティクス)の中で最も規模が小さいが、スーパーコンピューティングの未来はここにあると考えている」(Bolding氏)。
スーパーコンピューティングに対する政府投資。Barack Obama米大統領は、先端的コンピューティングに関連する12億4000万ドルの予算を含む予算案に署名した。
Crayが今後もこの勢いを続けられるかはまだ分からないが、最近2四半期は業績が予想を上回っている。この好調は、企業のHPCに対する支出の増加傾向を示しているのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。