日本IBMのポール与那嶺社長が2016年の年頭所感で、「IBMにとってコグニティブビジネスは、1990年代のe-ビジネス、2000年代のスマータープラネットに続くコーポレートビジョンである」と述べていた。IBMが「コグニティブ」に注力する理由はまさしくそこにある。
ただ、コグニティブコンピューティングとクラウドがIBMの業績に寄与するのはこれからだ。果たして減収傾向からの反転攻勢となるか。あらためてRometty氏の経営手腕が問われることになりそうだ。
「ビジュアルアナリティクスにおける利用コストの敷居を下げたい」 (日本オラクル 三澤智光 執行役副社長)
日本オラクルの三澤智光 執行役副社長
日本オラクルが先ごろ、セルフサービス型ビジュアルアナリティクスのクラウドサービス「Oracle Data Visualization Service」を国内で提供開始すると発表した。同社執行役副社長でクラウド・テクノロジー事業を統括する三澤氏の冒頭の発言は、その発表会見で、サービスとしてのコスト競争力を強調したものである。
Oracle Data Visualization Serviceは、あらゆる業務部門ユーザーに使いやすく強力なビジュアルアナリティクス機能を装備しているのが特長としている。数クリックするだけで業務システム内のデータや個人のファイル、あるいはビッグデータを取り混ぜて分析し、散乱したデータから効率的に隠れたパターンを素早く発見して共有したり、すぐに実行可能なビジネス上の洞察を導き出すことが可能になるという。
さらに詳しい内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは三澤氏の冒頭の発言に注目したい。
Oracle Data Visualization Serviceの月額利用料金は1ユーザーあたり税別価格1万8000円で、最小契約数は5ユーザーからとなっている、三澤氏は「ビジュアルアナリティクスは従来のオンプレミス環境で十分な機能を装備すると、5000万円程度の費用がかかるケースもある。クラウドサービスによってそうした利用コストの敷居を下げることができる」という。
販売パートナーからは、「企業においてエンドユーザー自身がデータを集めて迅速に分析・判断したいというニーズが高まっているが、オンプレミスのアナリティクスでは欲しいデータの追加や変更はIT部門に依頼しなければならず、時間とコストの無駄が生じてタイムリーなビジネス判断が行えていないのが実情だ。こうした中で、今後はクラウドサービスによるセルフサービス型のアナリティクスの普及が加速してくるのではないか」と、今回の新サービスに期待する声も上がっている。
この分野は今後、激戦市場になるとみられるだけに、オラクルの新サービスのインパクトが注目されるところである。