サイオステクノロジーは1月15日、機械学習IT運用分析ソフトの新バージョン「SIOS iQ v3.4」 を日本、米国、欧州の各市場向けに提供開始すると発表した。新バージョンでは問題の根本原因と影響範囲を可視化する機能が追加されている。
SIOS iQ は、システム内にある全てのオブジェクトの行動とその関連性を分析・学習する機能を備えたソフトウェア。問題や問題の予兆を検出した際、完全自動で根本原因や影響範囲の分析を行うことができる。
新バージョンで追加された新機能は「Topology Impact Analysis View」で、検出した問題や予兆に関し、関連するオブジェクト、問題の根本原因を作り出しているオブジェクト、影響を受けているオブジェクトをグラフィカルに可視化する。問題原因のオブジェクトと影響を受けているオブジェクトが明確に区別して表示し、その詳細をドリルダウンして提示する機能を備えており、システムの性能問題を今まで迅速に解決することが可能となる。
Topology Impact Analysis Viewの利用画面(サイオス提供)
「SIOS iQ v3.4」では、オブジェクトの行動を「アノマリ(異常な行動)」と判定する感度を調整する機能や、物理ホストの故障許容台数を分析する機能なども追加されている。
学習したパターンに合致しない行動を検出した場合、それを「アノマリ」として識別する方式では、閾値を用いた異常検出では検知できないレベルの微細な行動の差異を検出できる。しかし一方で、行動パターンが十分に学習できていない段階では、パターンに合致しない行動を過度に検出しすぎてしまうという面もあった。
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今回追加された機能では、学習された知識ベースの成熟度合いに合わせて、「アノマリ」を判定する感度を調整できるようになった。この新機能により、行動パターンが十分に学習できていない状態では、感度を低く設定し、過度に「アノマリ」を検出し過ぎることを避け、学習が進むにつれ感度を高く設定していくという運用が可能となる。
また新バージョンでは、VMware HA機能によりフェイルオーバーが可能な物理ホストの故障許容台数を分析することができるようになった。この新機能では、ある物理ホストが何らかの理由によりダウンした場合、その物理ホスト内の仮想マシンが他の物理ホストでフェイルオーバーするために必要なリソースを分析し、故障が許容される物理ホストの台数を算出する。
「SIOS iQ v3.4」は従来通り、物理ホストに1ライセンス(Standard Edition 24万円/12カ月)を利用するサブスクリプション形式で提供される。また無償版のFree Editionも用意されている。