米IBMは1月13日、2015年に取得した米国特許が7355件となり、23年連続で米国特許取得数で1位になったと発表した。2015年に取得した特許の内訳をみると、コグニティブコンピューティングやクラウド基盤に関連する分野が2000件以上と大半を占めており、同社では成長への取り組みの勢いを反映したものだとしている。
出典:IBMウェブサイト
IBMの特許取得集計に貢献したのは、50の米国州・領土、46カ国で業務をする8500人以上のIBM社員。2015年に取得した特許の36%以上は米国以外で従事するIBMの発明者によるものという。新たに開発したテクノロジの例は以下の通り。
コンピュータが感情を理解することを支援
IBM Research Chinaのある科学者グループは、コンピュータが感情を含んだ言葉を理解することを助け、より自然な方法で人間と会話できるようになるシステムの特許を取得した(米国特許第9117446号)。
コンピューターが私たちから学ぶことを支援
あるチームは、人間との会話によってコンピューターが言語を理解することを支援するテクノロジを発明した。このテクノロジは、人間と機械のどちらと会話しているかをコンピューターが理解するのを支援することを目標としてる(米国特許第9146917号)。
ユーザーのクラウド環境をより速く効率的にすることを支援
IBMのコンピューターサイエンティストたちは、入手可能なリソースのトポロジをレイアウトし、リソース間やエンドユーザーまでの最短のネットワーク経路を決定する方法を開発、特許を取得した(米国特許第8972986号)。
ジョブ完了のために全体からリソースを割り当てる
IBMの発明者たちは、インテンシブなワークロードを管理するために、能力に余裕のある他のクラウドに対して追加のコンピューティングリソースを要求する方法を開発した。同時に、これにより、十分なリソースを持つクラウドが、プロファイルの高いイベントが起きつつある際に他のクラウドにアラートすることが可能となる(米国特許第9009722号)
海外旅行先での効果的なコミュニケーション
IBMの発明者たちは、旅行者グループの間でどの言語が最も話されているかを検知する方法を考え出した。そこで、案内情報はその言語に翻訳され、もっとも頻繁に話される言語の順で空港内にアナウンスされる(米国特許第9015032号)。
機械学習を通じて患者のケアを向上
IBMの発明者たちは、医師が患者個人に合った治療の選択肢を見出すことを支援する特定の医療分野に基づいたアルゴリズムを特定する発明について特許を取得した(米国特許第9171478号)。
IBM会長・社長兼CEOであるバージニア・ロメッティ氏は、以下のようにコメントしている。
「特許取得数で23年間IBMが首位に就いている間に、当社の発明者たちは8万8000件以上の米国特許を取得しています。IBMは、さまざまな業界の顧客が進める変革を支援するコグニティブコンピューティングやクラウド基盤を通じてコンピューティングの未来像を形作るために研究開発に投資を続けています。IBMが特許取得でリードしていることは、ビジネスおよび社会の進歩を促すために必要な基本的な研究開発に当社が他に例を見ないほどコミットしていることを示しています」