Microsoftが「Windows」のサポートポリシーを変更した。このことは、「Windows 10」を導入する準備が整っていないが新しいPCを必要としている企業に、影響を与える可能性がある。
一般消費者の場合とは異なり、購入する新規PCで古いバージョンのWindowsを必要とするビジネスユーザーは少なくない(あるいは、そういうユーザーのために新規PCを調達する企業もある)。その理由は、企業のポリシー、アップグレードスケジュール、レガシーアプリケーションの存在、周辺機器の互換性などさまざまだ。
しかし、米国時間1月15日の発表によれば、新しいCPUアーキテクチャを使用しているPCでは、Windows 10を使うことが必須になる。具体的に言えば、新しいCPUアーキテクチャとは第6世代「Core」(開発コード名:「Skylake」)以降を指す。Skylakeを搭載したWindows 7や8.1が動作することが検証済みのPCも数多く販売されるが、MicrosoftはこれらのPCに対し、18カ月間(2017年7月17日まで)しかサポートを保証しない。
米ZDNetのEd Bott記者は、別の記事で、Microsoftが発表したサポートの変更内容をまとめている。
この変更が企業のWindows 10への移行に与える影響は、はっきりしない。最初からWindows 10が動作している新規ハードウェアにユーザーを移行させる準備が整うまで、できる限り移行スケジュールを延期しようとしている企業もあるはずだ。
Microsoftが今回の変更を行った理由は?
公式見解は、ユーザーによりよいコンピューティング体験を提供するため、というものだ。同社の主張では、Windows 7は最近のPCが備えている新しい機能を利用できるように作られていない。また最新のPCは、設計にWindows 7が考慮されておらず、Windows 10に合わせて作られている。
Microsoftの方針について、アナリストのWes Miller氏は「Windows 10以前の優れたPCと、現在の優れたPCは違うものになってきている」とツイートしている。また、同氏は次のように付け加えている。「今は、ハードウェアとソフトウェアが緊密に連携して作られる時代になった。ときには、新しいソフトウェアを手に入れることが、古いハードウェアとの別れを意味することもある」
また本当の理由は、Microsoftがより多くのWindows 7や8.1のユーザーをできるだけ早く移行させ、「永遠に残り続けるWindows XP」の悪夢が再現されるのを避けようとしているからだと考える人もいる。
2017年までWindows 7や8.1で新機能やセキュリティアップデートの完全なサポートが受けられるPCは?
PCWorldによれば(Microsoftも確認している)、少なくとも以下のPCがその対象になる。
- Dell「Latitude 12」
- Dell「Latitude 13 7000 Ultrabook」
- Dell「XPS 13」
- HP「EliteBook Folio」
- HP「EliteBook 1040 G3」
- レノボ「ThinkPad T460s」
- レノボ「ThinkPad X1 Carbon」
- レノボ「ThinkPad P70」
Microsoftの広報担当者は、このリストは手始めだと述べている。「より確実」なリストが週内に発表され、その後も継続的に更新されるという。