気象研究者が現在利用しているコンピューティングパワーを倍増するという最新のスーパーコンピュータ「Cheyenne」が米国に登場する。これを利用して、GPSなどの技術を利用して異常気象の影響を予測できるという。
Cheyenneは米大気研究センター(NCAR)のワイオミング・スーパーコンピューティング・センターに設置される5.34ペタフロップスのコンピュータで、毎秒5340兆回の計算が可能だ。これは現在のNCARのスパコン「Yellowstone」の倍以上の能力となる。
Yellowstoneの性能はCheyenneの半分にも満たない。
提供:David Gochis, NCAR
YellowstoneはIBM製の1.5ペタフロップスのシステムで、7万2000基以上のIntel「Sandy Bridge」プロセッサを搭載し、メモリは114.6テラバイト。世界のスパコンランキングでも上位にランクするシステムだ。
CheyenneはSilicon Graphics International(SGI)製で、4000のコンピュートノードを持ち、そのうち20%は128Gバイト、残り80%は64Gバイトのメモリを持つ。メモリの合計は313テラバイト。2017年に稼働を始めるという。
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NCARはまた、20ペタバイトの利用可能空間を持つ集中化された並列ファイルシステムを新たに搭載する。データストレージコンポーネントは毎秒200Gバイトの伝送速度を持つ。
他のストレージコンポーネントとしては、8テラバイトのSerial Attached SCSI(SAS)ドライブ3360個、800Gバイトのソリッドステートドライブ48個などが含まれる。OSは「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」で、IBMの汎用並列ファイルシステムをサポートする。
NCARによると、CheyenneはYellowstoneと比べて3倍、消費電力効率に優れるという。今日の標準からみると、Cheyenneは世界のスパコンランキング「Top500」の上位10に入るか入らないかのレベルといえる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。