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日本株展望

中国GDP6.8%成長の意味--いつまで原油価格は下がるか

ZDNet Japan Staff

2016-01-20 10:48

 1月19日の日経平均は、前日比92円高の1万7048円と小幅反発した。上海総合株価指数の反発(前日比プラス3.2%)と、円安(一時1ドル117.80円)が好感された。

 最近の世界的な株安に、大きな影響を与えているのが、中国経済への不安と原油急落だ。今回は、19日に発表された中国10~12月GDPの意味と、原油価格が下げ続ける要因について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏が解説する。

中国の10~12月GDPは前年比6.8%増

 中国国家統計局が19日に発表した10~12月実質GDPは前年比6.8%増だった。この数字を、そのまま信じる人はほとんどいない。もし本当にそんなに高い成長が実現しているならば、中国は世界経済を強力にけん引する機関車役になっているはずだ。

 実態は、正反対だ。中国の景気失速が世界経済に重大な脅威となり、中国ショックが世界に広がっている。

中国の実質GDP成長率(前年比)推移:2014年~2015年


(出所:中国国家統計局)

 中国政府の発表によると、2014年(1年間)のGDP成長率がプラス7.3%であったのに対し、2015年(1年間)はプラス6.9%だった。7.3%成長が6.9%成長に、たった0.4%成長率が低下しただけで、世界中に中国ショックが広がるとは考えられない。GDP統計は操作されている可能性があり、信頼できない。

 では、中国のGDPの数字を見ても、まったく意味がないのだろうか?そうは思わない。たとえ操作が疑われる数字でも、そこに一定の意味はある。

 中国政府の発表数字では、2015年1~3月は前年比7.0%成長だった。4~6月も全く同じで前年比7.0%成長だった。ここまで、2015年の政府目標である7.0%成長に、ぴったり合っているのが不自然だ。この時点で既に中国に景気失速の兆しはたくさん出ていたが、この時は、中国政府にまだ目標が達成できていないことを認める準備が整っていなかったと思われる。

 中国政府は、2015年7~9月のGDPは前年比6.9%増だったと発表した。ここに至って中国政府はようやく公式に、目標とする成長率が達成できていないことを認めたことになる。ただし、大幅に未達になっている現実は認めるわけにいかないと考えられる。

 そして今回、10~12月のGDPが6.8%成長と発表された。これは、中国景気の実態が、さらに悪化していることを、中国政府が認めざるを得なくなったことを意味する。0.1%だけ成長率を引き下げたところに、中国経済の実態がかなり悪くなっていることを読み取ることができる。

 それでは、中国のGDPは、現実的にどれだけ伸びているのだろうか。窪田氏は、足元、中国GDPは3%程度しか伸びていないと見ているという。消費は2桁成長が続き好調だが、投資が実質マイナス成長になっていると推定しているという。

 19日に国家統計局が発表した、12月の小売売上高は前年比11.1%増だった。これは十分納得できる数字だ。中国では大衆層が富裕になってきた効果で、消費は安定的に2桁成長が期待できる段階に入っていると思われる。

 ただし、同じく19日に発表された12月の都市部固定資産投資が前年比10.0%増であったのは納得できない。投資活動の停滞は深刻になってきており、そのような高い伸びになっていると考えられない。

 中国経済は、好調な消費と不振の投資の綱引きで、停滞色が強まっている。ただし、株式市場で懸念されているほどの「中国バブル崩壊」が起こっているとは思えない。中国経済については、今後とも注意深く見ていく必要がある。

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