Dellのネットワーク部門は米国時間1月20日、ハードウェアと基本ソフトウェアの分離を目指すプラットフォーム「Dell Networking OS10」(OS10)の概要を発表した。
データセンター分野では、ネットワーク企業の手によって、OSとハードウェアの分離が進められている。Cisco SystemsやJuniper Networks、Arista Networks、Brocade Communications Systemsといった企業は、ハードウェアから独立した自社ネットワークソフトウェアの提供という道に進んでいる。こういった動きにより、ネットワークソフトウェアの選択肢が増えることで、Dellのようなチャレンジャーは新たな機会を手にするようになる。
ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)の普及とともに企業は、ベンダーや機器の交換が可能なオープンプラットフォームを選択するようになるはずだ。Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、オープンネットワーク機能の仮想化ポートフォリオを拡充してきている。2015年10月には、ネットワークに焦点を当てたオープンソースOS「OpenSwitch NOS」を発表した。
DellのOS10もオープンネットワークを核にしている。OS10のベースモジュールでは無料かつ無修正のLinuxが稼働する。そしてベースモジュールを支えるのは、Open Compute Projectが推進する「Switch Abstraction Interface」(SAI)だ。OS10は、大規模データセンターでの運用を念頭に置いて設計されている。

OS 10の図
またOS10は、ベースモジュール上でのネイティブLinuxアプリやサードパーティーアプリ、オープンソースアプリの実行をサポートする。DellはOS10によって、ネットワーク事業者だけでなく、サーバやストレージ、ネットワークの運用管理を1種類のOSで実現する方法を模索しているDevOpsチームにアピールしたいと考えている。
Dellは、OS10のベースモジュールを3月にリリースする予定だと述べている。また、追加のアプリケーションモジュールについては2016年中にベータ段階に入る予定だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。