広島県立広島がん高精度放射線治療センター(HIPRAC)は、SaaS型電子カルテサービスを導入し、同センターと連携する4つの病院間で患者の診療データの共有を実現した。電子カルテサービスを提供するNECが1月22日、発表した。
広島県が設立し、広島県医師会が運営するHIPRACは、広島大学病院、県立広島病院、広島市立広島市民病院、広島赤十字・原爆病院の4つの基幹病院、およびその他の医療機関などから紹介されたがん患者に対して、高精度放射線治療を実施する専門センター。
既存の医療機関で検査・診断が行われている患者をHIPRACで治療し、治療後の患者のフォローアップは紹介元の病院が行うため、HIPRACと医療機関で患者の治療状況を共有する必要があったという。
そこで今回、HIPRACはNECのSaaS型電子カルテサービス「MegaOakSR for SaaS」を導入し、4基幹病院と共同利用することにより、患者の診療データの共有を実現した。
MegaOakSR for SaaSは、主に100床未満の病院向けに電子カルテや医療事務などの機能を、セキュアなクラウド環境を通して提供するサービス。そのためHIPRACの職員は、電子カルテの運用管理や医療事務の改訂作業などに労力をかけることなく、放射線治療の実務に専念することができる。
また、患者の診療データが一元的に管理されるため、4基幹病院はがん患者の治療の進捗状況を的確に把握することができ、重複検査などを防ぐことにもつながる。

今回のサービス提供イメージ(NEC提供)
なお、診療データは、建物の耐震など地震への対策や、監視カメラ・生体認証による入退室管理などのセキュリティ対策を実施しているNECのデータセンターで厳重に管理されている。