
難聴者との会話をサポートする卓上対話支援システム「comuoon(コミューン)」
大和ハウス工業は1月22日、「障害者差別解消法」が4月1日に施行されることを見据えて、全国の事業所、工場、ショッピングセンターなどすべての自社施設(100施設)に、難聴者との会話をサポートする卓上対話支援システム「comuoon(コミューン)」を導入すると発表した。1月25日から順次、計125台を設置する。
日本補聴器工業会の調査によると、日本の総人口に占める難聴者の割合は、2012年の10.9%から、2015年には11.3%へ増加している。そのような背景から、同社は2014年12月からcomuoonの販売代理店として、金融機関や介護施設に導入してきた。今回、障害者差別解消法の施行を前に、自社施設にcomuoonを大規模導入する。
comuoonは、ユニバーサル・サウンドデザインが開発・製造する卓上型の対話支援端末。難聴者本人が補聴器などを装着するのではなく、話し手側が発する音声を、難聴者に聞き取りやすい声に変換してコミュニケーションを改善するものだ。
難聴者が聞き取りづらい子音の周波数帯域(1000~1400Hz)の音圧を、電子的に加工せず、独自の卵型の形状とスピーカー部分の配置により、音の明瞭度を高めて聞き取りやすい音や声を作り出す。Comuoonを使うことで、聴こえの度合いが70db程度の中度難聴者(70dbは新幹線の車内や騒がしい街頭程度の音の大きさ)であれば、補聴器を使用せずに聴こえを改善することが可能だ。