SDN座談会(4):ネットワークからアプリケーションを理解することの重要性 - (page 3)

吉澤亨史 田中好伸 (編集部) 山田竜司 (編集部)

2016-01-29 07:00

 そのためには、もっとビジネスの視点を持たないといけないと感じています。Industrie 4.0でいえば、ドイツは国家を挙げてやっているわけですが、日本だとどうしてもコストダウンが目的の中心となるケースが多い。その先に“ステップ2”があって、それをどう次へ結びつけていくのかという視点が必要になると思います。

すべてを論理的に管理

林氏 皆さんとほぼ同じなのですが、通信事業者の立場からすると、今後のIIJのバックボーン、ゲートウェイとして提供するサービスというのはSDN、NFVが前提になります。これは確実にやっていきますし、NTTコミュニケーションズ、KDDI、ソフトバンクも全部そのように舵を切っています。

IIJ サービス推進本部 サービス推進部長 林賢一郎氏
IIJ サービス推進本部 サービス推進部長 林賢一郎氏

 今後IT部門が必要になるとすると、たとえばIP-VPNサービスを利用するときに、これまではPEルータの仕様に合わせ、CEルータの設定などを指定していたと思います。それがSDNでも起こってくるのではないでしょうか。

 たとえば「OpenFlow 1.3」を実装していないと「ここはCEルータとして使えません」とか「PEルータとはつなげません」といった前提が出てきます。逆につなげることで、全自動で運用管理できますという方向性が可能性としてあると思っています。

 全体的な展望としては、ニーズとしてはLANでも困るし、WANだけでも困るし、データセンターも困る。全部じゃないとダメなんですね。最終的にエンタープライズもLANからインターネットに出るところまで、トータルで論理的に管理してこそ初めて意味があると思っています。これができるように誰がするのか。SIerであったり、事業者がサービスとして提供するパターンもあったりすると思うのですが、そのどちらかで結局どこまでがSDNではなく、全部ベースとしてSDNという方向に向かっていく。というか、向かわせないといけないと思っています。

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