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日本株展望

原油連動相場続く--鉄鋼業の業績レビュー

ZDNet Japan Staff

2016-01-27 10:51

 1月26日の日経平均は前日比402円安の1万6708円だった。25日の米国市場で、WTI原油先物が1バレル30.34ドルと前日比1.85ドル下がったことを嫌気し、欧米株式が売られた流れが続いた。26日の上海総合株価指数が前日比6.4%安と急落したことも嫌気された。

 なお、25日はWTI原油先物の反発を好感し、NYダウが282ドル上昇し、CME日経平均先物は1万7055円となった。これを受けて、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏は、27日の日経平均は上昇と予想しているという。

 「鉄鋼株の足元の状況をレビューしてほしい」と要望があったので、今回は鉄鋼株の業績をする。

原油先物に敏感な世界の金融市場

 足の速い海外ファンドの動きにより、世界的にリスク資産(株、商品先物、高金利通貨、ハイイールド債など)が一斉に売られたり、買われたりする日々が続いている。その中心にあって世界の投機マネーが一番注視しているのが、原油先物だ。

 原油先物が下がった日には、(1)世界景気悪化、(2)一部資源国の信用不安、(3)産油国による金融資産の換金売り増加――などの懸念が広がり、リスク資産が全面安になる。原油先物が大きく反発した日には、〈1〉世界景気へのマイナス影響緩和、〈2〉信用不安の緩和、〈3〉産油国の換金売り減少――などの連想が働き、世界的にリスク資産が買い戻されている。

 しばらく、原油先物の動きに世界の金融資産が振り回される日が続きそうだ。

鉄鋼業は高炉と電炉で業績が二極化

 2016年3月期の鉄鋼業の業績(会社予想)は、完全に二極化している。“電炉”は、業績見通しを複数回にわたり上方修正している。これに対し、“高炉”は、複数回にわたり業績見通しを引き下げてきている。

高炉と電炉

 鉄鋼石と石炭(原料炭)から鉄鋼製品を一貫生産するメーカーを高炉メーカーという。新日鐵住金(5401)、JFE HLDG(5411)、神戸製鋼所(5406)などだ。一方、鉄スクラップを原料として、電気炉で主に建設資材を作る企業を電炉メーカーという。東京製鉄(5423)、共英製鋼(5440)が、代表的な電炉メーカーだ。

電炉メーカーの2016年3月期経常利益(会社予想)の推移

(出所:各社決算短信、東京製鐵は単体、共英製鋼は連結データ)
(出所:各社決算短信、東京製鐵は単体、共英製鋼は連結データ)

高炉メーカーの2016年3月期経常利益(会社予想)の推移

(出所:各社決算短信、3社とも連結データ)
(出所:各社決算短信、3社とも連結データ)

原料安効果の出るタイミングの違いが業績動向を分けている

 同じ鉄鋼業なのに、高炉と電炉でなぜ業績の出方が違うのだろうか? 答えは、原料安効果の出るタイミングの違いにある。高炉も電炉も、今期は製品価格と原料価格が両方とも大きく下がっている。

 高炉は、高値の原料在庫(鉄鉱石、石炭)を抱えているために、原料安効果が出るのが遅れる。製品価格が下がる中で、原料安効果が出るのが遅れるため、高炉の業績は大きく悪化する。

 これに対し、電炉は鉄スクラップと電気を使って製品を作るが、原料在庫はほとんどない。製品価格が下がる中で、それを上回る原料安効果がすぐに得られているために、今期業績の改善幅が拡大している。

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