2001年に10億ドルをLinuxに投じて業界を驚かせたIBMが2015年に発表したのが、「LinuxONE」だ。LinuxONEはLinuxとオープンソースのソフトウェア、サービスを搭載したメインフレームで、同社のメインフレーム「IBM z13」とCPU「z13」をベースとする「LinuxONE Emperor」、古いz12プロセッサからz13に移行中の「LinuxONE Rockhopper」の2種類がある。
LinuxONEはIBMのハイブリッドクラウド戦略の中心となるものだ。同社は米国時間1月26日、LinuxONEを以下の点で強化すると発表した。

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まずIBMのNoSQL「Cloudant」とNode.js「StrongLoop」を最適化してLinuxONEに組み込む。これにより、クライアントはハイブリッドクラウドに迅速かつ容易にアプリケーションの開発、実装、管理ができるようになる。
IBMはLinuxONEをハイブリッドクラウドソリューションとしてプッシュしているものの、同社のパブリッククラウド「SoftLayer」との連携はスムーズではない。一方で、「OpenStack」クラウドとの連携は容易に実現できる。OpenStackといえば、SUSEのOpenStackツールを利用して、LinuxONE上で動くパブリック、プライベート、ハイブリッドクラウドの管理ができる。
SUSE、そしてRed Hatに加えて、CanonicalのLinuxディストリビューション「Ubuntu」もまもなくLinuxONEで利用できるようになる。さらに、「Juju」「Metal as a Service(MaaS)」「Landscape」などUbuntuのOpenStackツールセットがLinuxONEでも利用できるようになる。4月に公開予定の「Ubuntu 16.04」(開発コード名:「Xenial Xerus」)が、LinuxONEにフル対応する最初のバージョンとなる。
IBMはまた、プログラミング言語「Go」のサポートも追加する。Goはシンプルで信頼性があるソフトウェアを作成するための言語で、IBMは夏にもGoコミュニティーに貢献を開始する予定だ。
3月には、IBMは「IBM Open Platform(IOP)」をLinuxONEポートフォリオに加える予定だ。IOPには「Apache Spark」「Apache HBase」「Apache Hadoop 2.7.1」などのサポートが含まれており、追加のコストは発生しない。
最後に、IBMはLinuxONEですでにサポート済みのDockerのサポートも強化した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。