Xeroxは米国時間1月29日、分社化を正式に発表した。これにより同社の事業は、サービス事業と、歴史あるハードウェア事業に分割され、それぞれが株式公開企業の下で運営されていくことになる。
同社によると、分社化によって従業員数4万人、事業規模110億ドルのドキュメントテクノロジ企業と、事業規模70億ドルのビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)企業が誕生するという。
分社後の2社は、向こう3年間であらゆるセグメントを対象とした24億ドル規模の経費削減も計画しており、2016年単独では7億ドル相当の経費削減を見込んでいる。
Xeroxの会長兼最高経営責任者(CEO)Ursula Burns氏は声明で、「Xeroxは本日、分社化により独立した、底力のある株式公開企業2社となる道に進むと発表することで、株主の利益のさらなる追求に向けた確固たる1歩を踏み出す」と述べた。また、「これら2社は、急速に変化しつつあるそれぞれの市場をリードする位置につけるとともに、利益の拡大や市場シェアの向上という、分社化によって生み出される機会を生かしていく」と述べている。
分社化は、大規模投資家であるCarl Icahn氏からのプレッシャーを受けた結果でもある。Icahn氏は同社株が大幅に過小評価されていると考え、2015年12月に持ち株比率を8.13%に高めていた。
分社化決定の一環として、Icahn氏はBPO事業を手がける新会社の取締役会で3議席を獲得する。また、物言う投資家として知られる同氏は、この新会社のCEOを選出するための委員会に「出席し、助言を与える」人物を選ぶ権利を得た。
投資家からのプレッシャーを受けて分社化や事業削減の道を選んだ歴史ある企業は、Xeroxの他にも数多くある。Icahn氏はeBayとPayPalの分社化を促したことでも知られている。なお、eBayとPayPalの分社化手続きは2015年7月に完了している。
Xeroxは2015年10月に事業ポートフォリオの戦略的な見直しを実施しており、Burns氏はその時点では分社化しない方針だった。しかし同社は数四半期にわたって売上高が減少しているため、投資家からのプレッシャーや、低迷を続ける決算に耐えられなくなったと考えられる。
またXeroxは同日、第4四半期決算(12月31日締め)も発表している。第4四半期は利益が前年同期比43%増の2億8500万ドル、1株あたり利益が前年同期比59%増の27セントとなった。また売上高は前年同期比8%減の47億ドルだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。